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【天皇杯】震災、レギュラー落ち…苦しんだ2016年。谷口彰悟が決勝弾に喜びを爆発させたわけ

カテゴリ:Jリーグ

竹中玲央奈

2016年12月30日

「俺もびっくりするくらい、喜びました」

試合後にも興奮冷めやらぬ様子の谷口(5番)。終了間際の決勝弾でチームを初の決勝に導いた。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト)

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 敗戦後のミックスゾーンでもしっかりと言葉を紡ぎ報道陣の質問に答え、初見の記者に対しても警戒心は表さず丁寧に接し、ファンサービスも怠らない。ただ、喜怒哀楽を大きく出す選手ではない。そんな谷口彰悟が、決勝点を挙げて喜びを大爆発させた。
 
 川崎としては連動した大宮の守備に苦戦を強いられ、相手の決定機逸にも助けられて“なんとか”終盤までスコアレスに持ち込めたと言って良い。そのなかで迎えた85分、中村のCKのこぼれ球をエドゥアルドが頭で落とし、それに反応した谷口がゴール前に飛び込んで足を伸ばしてゴールに押し込んだ。
 
 均衡を破るゴールを挙げると、ガッツポーズを天に突き上げながらジャンプをし、ゴール裏のサポーターへその姿を示した。あそこまで感情を表に出す彼の姿を見るのは、初めてのことだ。
 
「俺もびっくりするくらい、喜びました。こういう決勝点というのは経験があまりないですし、導くことができたというか、フロンターレの勝利に貢献できたというのが個人的に嬉しかった」
 
 昨年は公式戦すべてでフルタイム出場を果たし、日本代表にも招集された飛躍のシーズンだった。だが、そこからさらに自身の価値を高めようとして臨んだ今季は、思わぬ苦戦を強いられてしまう。新加入の奈良とエドゥアルドが守備の耐久力で圧倒的な存在感を見せ、ベンチスタートとなる試合もあれば、本職でないサイドバックで使われる試合もあった。
 
 そして、失点に直結するような信じられないミスも犯してしまう。それが顕著だった上半期は、彼にとって苦しい時期でもあった。その時期には「正直、葛藤がある」と打ち明けている。
 
 ピッチ外でも生まれ故郷である熊本で震災が起こり、家族や街の状態を案じながら試合と練習をこなさなければいけない時期もあった。「自分にやれることはサッカーで結果を出して頑張っている姿を見せることしかない」とは語ったものの、精神的な負担となっていたことは想像に難くない。その時期は多くの報道陣から毎日のように地元の状況を聞かれていたが、冒頭でも述べたように誰に対しても真摯に対応していた。それが多少なりともストレスになっていただろうし、取材対応が終わったあと、隠れて涙を拭う姿もあった。

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