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【コラム】プレミアリーグにとって「縁起もの」? 1年の結末を予期するクリスマスシーズンの到来

カテゴリ:メガクラブ

山中忍

2016年12月21日

最下位にとっては「呪い」に変わるクリスマス。

10月に経験豊富なイタリア人指揮官のグイドリンを見限り、ブラッドリー体制をスタートさせたスウォンジー。しかし、チームの調子は好転せず、降格圏内から脱する気配はない。 (C) Getty Images

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 一方、最下位のチームにとっては、この時期にビリだと降格を避けられないという「クリスマスの呪い」が憑きまとう。
 
 このジンクスを破った例は、過去24年のプレミア史でウェスト・ブロムウィッチ・アルビオン、サンダーランド、レスターの3チームのみだ。
 
 今シーズンはハルが17節で最下位に落ちたが、同節でミドルスブラに0-3と大敗した19位のスウォンジーも勝点数で並んでいるため、呪いの対象だ。
 
 スウォンジーは、ミドルスブラ戦を落としたことで、アウェーゲームで7敗目。となればホームでのポイント獲得が頼みの綱だが、敵地に出向いたコアなサポーターたちでさえ、相手ファンによる「朝にはクビだな!」というチャントの合唱に便乗するなど、10月に就任したばかりのボブ・ブラッドリー監督を見限る始末だ。
 
 これではホームアドバンテージも望み薄だ。当のアメリカ人指揮官は「逃げない」と勇ましいが、メディアでは、そのブラッドリーの続投が残留を争うライバル勢への「クリスマスプレゼントも同然」と書き立てられている。
 
 全国津々浦々、試合前後にファンが集うスタジアム近辺のパブでは、バンド・エイドの往年のヒット曲『Do They Know It's Christmas?』が店内に流れる時期になった。
 
 ポール・マッカートニーやボノなどイギリスのロック界とポップ界のスターたちによって構成されたチャリティーバンドによる名歌の一節には、次のものがある。
 
「Let them know it's Christmastime again(クリスマスが来たことを知らせてあげよう)」
 
 今年のクリスマスは、上機嫌のチェルシー・ファンが笑顔で祝杯を挙げる傍で、呪いを背負わされたハルとスウォンジーのファンにとっては、まさに「知りたくもない」クリスマスとなりそうだ。
 
文:山中忍
 
【著者プロフィール】
山中忍/1966年生まれ、青山学院大学卒。94年渡欧。イングランドのサッカー文化に魅せられ、ライター&通訳・翻訳家として、プレミアリーグとイングランド代表から下部リーグとユースまで、本場のサッカーシーンを追う。西ロンドン在住で、ファンでもあるチェルシーの事情に明るい。
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