先日のクラブワールドカップ決勝では、鹿島がレアル・マドリーとの死闘の末、準優勝に輝いた。惜しくも世界一の称号は得られなかったものの、その戦いぶりは多くのサッカーファンを感動させたはずだ。
 
　20日に行なわれたJリーグアウォーズのベストイレブン記者会見では、鹿島の健闘について、浦和の槙野智章、川崎の中村憲剛に質問が及ぶと、両選手はそれぞれ次のようにコメントした。
 
「正直に答えます。悔しい気持ちがあるなか、試合を見ていました。ただ、試合や大会を通して、鹿島の選手一人ひとりが自信を持ち、レベルアップしていく姿を見て、本当に羨ましいと思っていました。
 
　実際に、自分たちが鹿島に勝って、この大会に出ることで、どれだけレベルアップできるのかと、そういう風な見方もしていましたけど、最後のところでは、正直に鹿島を応援していました」（槙野）
 
「悔しさと、羨ましさが半分半分の心境で試合を見ていました。日本を、Jリーグを代表して、レアル相手にあそこまでやってくれたのは、本当に誇らしいこと。
 
　あそこで負けた悔しさは、直に戦った鹿島の選手しか味わえないもの。あの舞台に自分たちが立てなかったことは、すごく悔しかったです。
 
　ただ、鹿島がJリーグの力を見せてくれたと思う。来年以降、より世界の目がJクラブに向くと思う。先ほど、石井監督も仰っていましたけど、ともにしのぎを削って、どんどんJリーグのレベルを上げていきたい。その話を聞いて、僕もその通りだなと思ったので、来年は鹿島に負けないよう、フロンターレも頑張りたい」（中村）
 
　ともに今季のベストイレブンに選出されている鹿島の昌子源についても、槙野と中村はそれぞれ印象を語ってくれた。
 
「本当に素晴らしいものでした。名だたる選手をしっかりと抑えるのはもちろん、日頃から代表チームでハリルホジッチ監督から言われている、前に出る守備、ファウルをしないでボールを奪う守備というのを（見せていた）。大会を通して、MVP級の活躍をしたのは、昌子選手だと感じています」（槙野）
 
「試合の時、いつも立ちはだかるのは昌子くんで、この大会でも、試合ごとに成長している姿を見ていました。とにかく、最後は自分が守るんだという気概を感じます。若い選手で、これだけ逞しい日本のディフェンダーが出てきたんだなというのを、率直に嬉しく思いました。これからも頑張ってほしいです」（中村）
 
　槙野と中村から高い評価を得た昌子は、「いやもう、感無量です。ありがとうございます」と笑顔を見せた。
 
取材・文：広島由寛（サッカーダイジェスト編集部）

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