2004年――スポーツの枠を超えたエンターテインメント

東京Vの選手たちが「凄かった」と舌を巻いたマドリーの選手たちの技術。なかでもジダンは秀逸だった。 (C) SOCCER DIGEST

初戦は、市原が先制点を挙げたこともあり、白熱した好勝負となった。写真はパボン、サンドロの攻防。 (C) SOCCER DIGEST
◇レアル・マドリー 4-0 東京ヴェルディ & 3-1 ジェフ市原
野球のメジャーリーグのように、選手1人ひとりの名前がアナウンスされ、スポットライトに照らし出されるなか、ピッチに登場していく。先に出てきたのが東京Vの選手たちで、その後にマドリー。通常ならばホームチームの方が後に出てくるものだが、やはり主役はマドリーである。
そんな華美な演出も、試合開始とともにさほど気にならなくなっていく。3日前に行なわれた市原(現・千葉)戦では、立ち上がりにマルキーニョスがFKを直接ねじ込んでみせ、「銀河系」に少なからず動揺を与えたのは痛快でもあった。
この日も東京Vが何かしてくれるのではないか……。しかし、マドリーは容赦なく攻め立てていき、華麗な90分の舞台を演じていった。
開始8分だった。左サイドにできたスペースでロナウドがパスを受け、そこからグラウダーのクロスを放つ。待ち構えていたのはジダンだった。
1・5列目から抜け出し、足元に来たボールをピタリと止める。DF2人が詰めてくると、その勢いをマタドールのごとくひらりといなし、「マルセイユルーレット」で抜き去る。さらにGKには左右のフェイントを入れ、完全にタイミングを外し、鮮やかにゴールネットを揺らしてみせた。
軽傷を負っていたため、市原戦は大事をとって欠場。昨年の日本遠征も帯同はしていたが、出場はしなかったジダン。ピッチに立ったのは2002年のトヨタカップ以来となり、ファンへの挨拶とばかりに見せたゴールだった。
さらには、ベッカムのループパスからロナウドが独走して2点目、ベッカムのクロスからグティがヘディングで落としてフィーゴが3点目、最後はラウールとグティのワンツーからモリエンテスが飛び込んで4点目を決めた。
得点者も得点パターンも異なるが、全て東京Vの守備陣を完全に翻弄してのもの。スポーツの枠を超えた、エンターテインメントとしてのサッカーの愉しさというものを、見せ付けられたのだった。
※週刊サッカーダイジェスト2004年8月17日号より(一部、割愛・表記&文章修正)
◎ジャパンツアー2004
2004年8月1日/味の素スタジアム 観衆49,542人
レアル・マドリー 4-0 東京ヴェルディ
得点:ジダン(8分)、ロナウド(34分)、フィーゴ(77分)、モリエンテス(80分)
マドリー:GK/セサル DF/M・サルガド、パボン、サムエル(46分R・ブラーボ)、R・カルロス MF/ベッカム(77分メヒア)、I・エルゲラ(77分セラーデス)、フィーゴ、ジダン(62分グティ)、ソラーリ(46分ラウール) FW/ロナウド(62分モリエンテス) 監督/マーチョ
東京V:GK/高木 DF/米山、戸川、ウベダ(59分柳沢) MF/林、平野(22分イ・カンジン)、小林大(74分玉乃)、小林慶、相馬(69分根占) FW/平本(64分森本)、桜井(71分ウーゴ) 監督/オズワルド・アルディレス
◎ジャパンツアー2004
2004年7月29日/国立競技場 観衆51,840人
レアル・マドリー 3-1 ジェフ市原
得点:レ=グティ(23分)、ラウール(36分)、ソラーリ(89分) ジ=マルキーニョス(6分)
マドリー:GK/カシージャス DF/M・サルガド、パボン、サムエル(63分セラーデス)、R・カルロス(63分R・ブラーボ) MF/ベッカム、I・エルゲラ、フィーゴ(63分ヌニェス)、グティ(58分ソラーリ) FW/ラウール(80分メヒア)、モリエンテス 監督/ホセ・アントニオ・カマーチョ
市原:GK/櫛野 DF/結城、斎藤、ミリノビッチ、水本(87分水野) MF/中島(46分巻)、佐藤(73分市原)、山岸(52分楽山)、村井(79分工藤) FW/サンドロ、マルキーニョス(46分小林) 監督/イビチャ・オシム
【写真】レアル・マドリー IN JAPAN(1998~2005)
野球のメジャーリーグのように、選手1人ひとりの名前がアナウンスされ、スポットライトに照らし出されるなか、ピッチに登場していく。先に出てきたのが東京Vの選手たちで、その後にマドリー。通常ならばホームチームの方が後に出てくるものだが、やはり主役はマドリーである。
そんな華美な演出も、試合開始とともにさほど気にならなくなっていく。3日前に行なわれた市原(現・千葉)戦では、立ち上がりにマルキーニョスがFKを直接ねじ込んでみせ、「銀河系」に少なからず動揺を与えたのは痛快でもあった。
この日も東京Vが何かしてくれるのではないか……。しかし、マドリーは容赦なく攻め立てていき、華麗な90分の舞台を演じていった。
開始8分だった。左サイドにできたスペースでロナウドがパスを受け、そこからグラウダーのクロスを放つ。待ち構えていたのはジダンだった。
1・5列目から抜け出し、足元に来たボールをピタリと止める。DF2人が詰めてくると、その勢いをマタドールのごとくひらりといなし、「マルセイユルーレット」で抜き去る。さらにGKには左右のフェイントを入れ、完全にタイミングを外し、鮮やかにゴールネットを揺らしてみせた。
軽傷を負っていたため、市原戦は大事をとって欠場。昨年の日本遠征も帯同はしていたが、出場はしなかったジダン。ピッチに立ったのは2002年のトヨタカップ以来となり、ファンへの挨拶とばかりに見せたゴールだった。
さらには、ベッカムのループパスからロナウドが独走して2点目、ベッカムのクロスからグティがヘディングで落としてフィーゴが3点目、最後はラウールとグティのワンツーからモリエンテスが飛び込んで4点目を決めた。
得点者も得点パターンも異なるが、全て東京Vの守備陣を完全に翻弄してのもの。スポーツの枠を超えた、エンターテインメントとしてのサッカーの愉しさというものを、見せ付けられたのだった。
※週刊サッカーダイジェスト2004年8月17日号より(一部、割愛・表記&文章修正)
◎ジャパンツアー2004
2004年8月1日/味の素スタジアム 観衆49,542人
レアル・マドリー 4-0 東京ヴェルディ
得点:ジダン(8分)、ロナウド(34分)、フィーゴ(77分)、モリエンテス(80分)
マドリー:GK/セサル DF/M・サルガド、パボン、サムエル(46分R・ブラーボ)、R・カルロス MF/ベッカム(77分メヒア)、I・エルゲラ(77分セラーデス)、フィーゴ、ジダン(62分グティ)、ソラーリ(46分ラウール) FW/ロナウド(62分モリエンテス) 監督/マーチョ
東京V:GK/高木 DF/米山、戸川、ウベダ(59分柳沢) MF/林、平野(22分イ・カンジン)、小林大(74分玉乃)、小林慶、相馬(69分根占) FW/平本(64分森本)、桜井(71分ウーゴ) 監督/オズワルド・アルディレス
◎ジャパンツアー2004
2004年7月29日/国立競技場 観衆51,840人
レアル・マドリー 3-1 ジェフ市原
得点:レ=グティ(23分)、ラウール(36分)、ソラーリ(89分) ジ=マルキーニョス(6分)
マドリー:GK/カシージャス DF/M・サルガド、パボン、サムエル(63分セラーデス)、R・カルロス(63分R・ブラーボ) MF/ベッカム、I・エルゲラ、フィーゴ(63分ヌニェス)、グティ(58分ソラーリ) FW/ラウール(80分メヒア)、モリエンテス 監督/ホセ・アントニオ・カマーチョ
市原:GK/櫛野 DF/結城、斎藤、ミリノビッチ、水本(87分水野) MF/中島(46分巻)、佐藤(73分市原)、山岸(52分楽山)、村井(79分工藤) FW/サンドロ、マルキーニョス(46分小林) 監督/イビチャ・オシム
【写真】レアル・マドリー IN JAPAN(1998~2005)