ドイツに慣れ、シュツットガルトを把握した浅野拓磨が感じさせる飛躍の可能性

カテゴリ:海外日本人

サッカーダイジェストWeb編集部

2016年12月16日

個人の目標は初の2ケタ得点、チームでの目標はもちろん…。

サポーターにも認められつつある。が、本当に彼らを満足させられるのは、今シーズンでチームを1部に復帰させた時だ。浅野にはさらに、アーセナル復帰、プレミアリーグ&チャンピオンズ・リーグでの活躍という大きな目標が控えている。 (C) Getty Images

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 そんな浅野のプレーに大きな成長が見られたのが、16節のハノーファー戦、30分のシーンだった。
 
 カウンターで、右サイドのマネからゴール前に走り込んだ浅野へのパスが乱れたが、このボールを拾った浅野は、追いすがる相手DFを深い切り返しでかわして右足シュートを放った。
 
 残念ながら枠をわずかに外してしまったが、スピードに乗った状態から慌てることなくスムーズな動作でシュートまで持ち込んだことは、高く評価できる点だった。
 
 本人も、手応えを口にする。
 
「チームとしても、僕の動き出しとかをすごく重要視してくれていて、僕自身もチームに少しずつ頼られてきているなというのは感じます」
 
「味方が持った瞬間、奪った瞬間の動き出しというのは、良いものを持っていると自分でも思いますし、そこは自信を持っています。どんどん出していって、もっとチームにそこを頼られて、僕のプレーというのを求められるように結果を残さないと。そこを高めていかないといけないと」
 
「惜しいというだけじゃなくて、最後に結び付けるのが大事だと思います」
 
 チームメイトの特徴を把握してきているのも、良さを出せている要因だろう。14節のニュルンベルク戦では守備に下がりすぎることなく、攻撃に出ていけるポジションをとれていた。
 
 試合後、その点を尋ねてみると、「危ないと思ったら全力で戻りますけど、攻撃になった時に自分の良さを出すために(前目に残ることもある)。そこの駆け引きも大切になってくると思います」と、浅野は語った。
 
 守備をおろそかにしているわけではない。味方の力量が分かってきたので、どのような状況ならマイボールにできるかが明確になってきたのだろう。
 
『ビルト』紙のインタビューでは、「日本では、1シーズンに2ケタ得点を決めたことがなかった。シュツットガルトでそれを成し遂げたい。個人的な目標はそれ。チームとしては、もちろん昇格」と、今シーズンの目標を掲げていた。
 
 飽くなき向上心で自分と向き合い、貪欲にあらゆるものを吸収しようと取り組む姿を見ていると、その目標も十分クリア可能なものだと思われる。
 
文:中野 吉之伴
 
【著者プロフィール】
なかの・きちのすけ/ドイツ・フライブルク在住の指導者。2009年にドイツ・サッカー連盟公認のA級コーチングライセンス(UEFAのAレベルに相当)を取得。SCフライブルクでの研修を経て、フライブルガーFCでU-16やU-18の監督、FCアウゲンのU-19でヘッドコーチなどを歴任。2016-17シーズンからFCアウゲンのU-15で指揮を執る。1977年7月27日生まれ、秋田県出身。
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