【ミラン番記者】本田圭佑は「止め」を刺された…。デルビーのスソの大活躍は致命的だ

カテゴリ:海外日本人

マルコ・パソット

2016年11月25日

攻撃面では全てにおいてスソのほうが優っているのは明らかだ。

この先制点を含めて2ゴールを挙げたミラノ・ダービーでスソは、ミランにおける地位を不動のモノとした。写真:Alberto LINGRIA

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 スソは夏の最初のプレシーズンマッチだったボルドー戦からスタメン。この時の本田はフィジカルに問題を抱えており、メンバー入りできなかった。
 
 そして、この試合でスソは素晴らしいパフォーマンスを見せ、モンテッラに好印象を与える。その後のアメリカツアーで本田がコンディションを取り戻しても、状況は変わらなかった。スソはバイエルン戦、リバプール戦、チェルシー戦と立て続けに先発し、本田は試合の最後に少しだけプレーするのみだった。
 
 こうして8月15日のフェラゴスト(聖母マリアが天に昇った日、イタリアでは真夏の象徴でもある)よりも前に、右ウイングの序列はかなり明確になった。今日に至るまでは、スソが一番手、本田が二番手という順位は不変だ。
 
 着目すべきは、私は本田から無闇にポジションを奪った選手の話をしているのではないということだ。スソにはそれだけの資格が十分にある。23歳の才能豊かな逸材は、モンテッラの信頼を受けて主力に抜擢された今シーズン、大きく開花した。
 
 デルビーの2ゴールはいずれも素晴らしかった。43分の1点目は、右サイドから中央に切れ込んで左足を振り抜くお得意の形。クリスティアン・アンサルディをフェイントで振ってシュートを放つまでのスピードが、とにかく図抜けていた。
 
 58分の2点目は、ペナルティーエリア内でミランダをあっさり交わして、効き足ではない右足でゴールの隅に冷静に流し込んだ。
 
 残念ながら試合終了間際の失点で試合は2-2のドローに終わったが、デルビーという大舞台における見事な2ゴールによって、スソのミランにおける地位は完全に不動のものとなった。
 
 スソと本田の違いはどこにあるのか? 23歳と30歳という年齢差を別にしても、とっさの判断と動きの鈍さは、常に本田のアキレス腱だ。スソはボールを受けてから2タッチのうちにすでに敵と仲間の居場所を見極め、即座に打開を試みる。また、デルビーでも証明したように、左利きのわりには右足も悪くない。
 
 もちろんスソにも弱点はある。とりわけオフ・ザ・ボールの動きは、本田から学ぶべきことが多いだろう。また以前よりは改善されつつあるが、まだ守備の局面で軽さが否めない。その点では本田のほうがかなり優秀だ。
 
 しかし、攻撃面では全てにおいてスソのほうが優っているのは明らかだ。そして、それこそがモンテッラが本田ではなくスソに信頼を置いた最大の理由でもある。
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