金子の存在が、エース・鄭の得点感覚を呼び覚ます要因に。
見逃せないのが、若手の台頭だ。チーム総得点の半数以上を稼いだ大前元紀、鄭の貢献度も素晴らしかったが、これまでなかなか芽が出なかった選手たちの奮起が、実は重要なファクターになった。
白崎凌兵、松原后、北川航也、金子翔太らはその代表格で、例えば、徳島戦で決勝ゴールを決めた金子は、献身的なプレーでチームを支えた。怪我(6月8日の町田戦で肋骨骨折)で約3か月の戦線離脱を強いられた大前に代わり出番を増やした21歳の働きに対して、鄭はこう賛辞を述べる。
「(得点)感覚が戻るきっかけになったのが、(大前)元紀の怪我で金子と(2トップを)組むようになってから。前線で守備を頑張ってくれるから、自分は裏を取れる余力があったんですよね。『あ、これだ』と思って。
「そこから点を取っているのはほとんどDFの裏だし、足もとで貰ってミドルシュートっていうのはないと思う。そういう意味では金子に感謝したいですよね。自分の成長にもつながったと思うので」
この言葉を借りれば、鄭の覚醒を促したのが金子だったと言えるだろう。今季は4得点と、FWとしての結果は物足りなく映るが、チームのために身体を張りながら守備に徹した働きは、非常に効果的だった。大前の長期離脱で不安が降り注ぐ中、そうしたプレーでチームの穴埋めに奔走し、成長の跡を残した。
同じく攻撃陣では、チーム3位の9得点を奪った北川、中盤を定位置に多くのチャンスに絡んだ白崎のパフォーマンスにも焦点が当たる。とりわけインパクトがあったのが、試合終盤に0-1から逆転した34節のC大阪戦(2-1)だろう。ひとつ前の松本戦を落とし、自動昇格圏浮上へ負けられない一戦で、89分に北川、アディショナルタイムに白崎がゴールを決めてチームを救っていなければ、また違ったシナリオになっていたかもしれない。
「ポイントとなる試合で若手が活躍したっていうところも、またちょうどいいバランスが取れたんじゃないかなと。若手の融合っていう面で言うと、今年は良いパフォーマンスが出たんじゃないかと思います」(鄭)
J2で戦ったシーズンは、清水にとって有意義なものになったのは間違いない。頼もしく成長した若手の存在が、それを端的に表わしている。
取材・文:橋本 啓(サッカーダイジェスト編集部)
白崎凌兵、松原后、北川航也、金子翔太らはその代表格で、例えば、徳島戦で決勝ゴールを決めた金子は、献身的なプレーでチームを支えた。怪我(6月8日の町田戦で肋骨骨折)で約3か月の戦線離脱を強いられた大前に代わり出番を増やした21歳の働きに対して、鄭はこう賛辞を述べる。
「(得点)感覚が戻るきっかけになったのが、(大前)元紀の怪我で金子と(2トップを)組むようになってから。前線で守備を頑張ってくれるから、自分は裏を取れる余力があったんですよね。『あ、これだ』と思って。
「そこから点を取っているのはほとんどDFの裏だし、足もとで貰ってミドルシュートっていうのはないと思う。そういう意味では金子に感謝したいですよね。自分の成長にもつながったと思うので」
この言葉を借りれば、鄭の覚醒を促したのが金子だったと言えるだろう。今季は4得点と、FWとしての結果は物足りなく映るが、チームのために身体を張りながら守備に徹した働きは、非常に効果的だった。大前の長期離脱で不安が降り注ぐ中、そうしたプレーでチームの穴埋めに奔走し、成長の跡を残した。
同じく攻撃陣では、チーム3位の9得点を奪った北川、中盤を定位置に多くのチャンスに絡んだ白崎のパフォーマンスにも焦点が当たる。とりわけインパクトがあったのが、試合終盤に0-1から逆転した34節のC大阪戦(2-1)だろう。ひとつ前の松本戦を落とし、自動昇格圏浮上へ負けられない一戦で、89分に北川、アディショナルタイムに白崎がゴールを決めてチームを救っていなければ、また違ったシナリオになっていたかもしれない。
「ポイントとなる試合で若手が活躍したっていうところも、またちょうどいいバランスが取れたんじゃないかなと。若手の融合っていう面で言うと、今年は良いパフォーマンスが出たんじゃないかと思います」(鄭)
J2で戦ったシーズンは、清水にとって有意義なものになったのは間違いない。頼もしく成長した若手の存在が、それを端的に表わしている。
取材・文:橋本 啓(サッカーダイジェスト編集部)

11月10日発売号は原口元気選手の巻頭インタビューに加えて、本誌恒例の「“最新”移籍相関図」をお届けします。これを読めばストーブリーグの見どころが丸わかり! またクラブダイジェストはJ2の松本山雅です。