【清水】J2で残した成長の足跡――。昇格への重要なファクターとなった若手の台頭

カテゴリ:Jリーグ

橋本啓(サッカーダイジェスト)

2016年11月22日

‶構えられること″は想定内だったが…。

サイドハーフを主戦場に多くのチャンスを演出した白崎(39番)は、攻撃面で存在感を示した。写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)

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[J2・42節]徳島1-2清水/11月12日/鳴門大塚
 
 後半のアディショナルタイムは4分。徳島の反撃に晒された清水にとっては、とてつもなく長い時間に感じられたであろう。フリーでシュートを許しヒヤリとさせられる場面もあったが、守備陣が集中を切らさず辛抱強く耐え凌ぐ。そして、遂に待望の瞬間が訪れた――。
 
 徳島を2-1で下し1年でのJ1復帰を決めると、オレンジ色で染めたゴール裏から歓喜の声が沸き上がり、ピッチ上では選手が雄たけびを上げる。ベンチメンバー、スタッフを交えてそれぞれが思い思いに喜びを爆発させたその光景からは、この1年がどれだけ苦しかったかが十分に伝わってきた。
 
「勝てないから犯人探しが始まるし、自信もないし、(J1に上がるのは)きついなと思いましたね」
 
 シーズン開幕当初をそう振り返るのは、鄭大世だ。リーグ断トツ1位の26ゴールを挙げて得点王に輝いたストライカーは、チームに少なからず不安を覚えていた事実を明かした。実際、序盤戦の清水は波に乗り切れず、開幕から4試合を消化した時点でわずか1勝(1勝2分1敗)にとどまった。
 
 J2特有の戦いに苦戦したのは、その要因のひとつだろう。J1レベルの実力を有す清水に対し、相手は極端に守備を固めてきたのである。‶構えられること″は想定内だったが、大半の選手がJ2を初めて戦ったため、「ここまでベタ引きされるとは思わなかった」(鄭)と脱帽するのも無理はなかったのかもしれない。
 
 人数をかけて守る相手を攻め崩せず、逆に、リズムを明け渡してしまう。そんな試合は決して少なくなく、シーズン序盤戦の14節・東京V戦(1-2)後には10位へ転落。出鼻をくじかれたことで、1年でのJ1復帰に暗雲が立ち込める時期も経験した。
 
 だからこそ、そこから見事に巻き返した成長ぶりは目を見張った。「(シーズンの)最後のほうは引いてくれるほうがむしろ点が取れるようになりました」(鄭)との言葉からも、確かな変化が見て取れる。

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