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抑えきれなかったパッション――。国王崩御に沈むタイが豪州から勝点1ゲット、その裏にあったエピソード

カテゴリ:国際大会

佐々木裕介

2016年11月17日

オーストラリア代表も弔意を示す喪章をつける。

スタジアムの外にも国王に哀悼の意を表する記念碑が建てられた。

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 スタジアムへはキックオフの2時間前に到着した。平日開催だからだろうか、ファンの入りはまばらで、出足が芳しくないように感じた。9月に同じ場所で行なわれた日本代表戦も取材で訪れているのだが、今日と同じ「火曜日開催」であったものの、キックオフ3時間前には多くのファンがスタジアム周辺を占拠し、発煙筒が焚かれ、殺伐とした雰囲気だった。
 
 この日はまるで休日の公園のような静かで穏やかな空気が流れていた。またキックオフ 1時間30分前には場内を歩いてみたのだが、皆が試合を楽しみにしている気持ちを各々で自制している空気を感じ感じずにはいられなかった。
 
 キックオフ1時間前、タイ王国代表は綺麗に列を成してピッチに現われた。そしてウォームアップ開始前にピッチ上で、ラーマ9世を意味するタイ数字「9」を人文字で作り、亡き国王陛下へ敬意を表した。だが、落ち着いた音楽と合わさった心に響く演出に、多くのファンが感傷的になり、涙していた者も少なくなかった。そして日本人である筆者までもが感動させられ、試合が始まる前にもかかわらず、これを見られただけでも足を運んで良かったと素直に感じる程、素晴らしい演出だった。
 
 キックオフ10分前、両チームの選手が入場する。タイは通常通りの青いホームシャツ、左腕には黒いバンドを付けて、またスタッフ陣は全身黒ずくめの装いである。試合前日の公式記者会見で、オーストラリアのポステコグルー監督は、同国記者の「故プミポン国王へ敬意を払い、特別ユニホーム等の用意はあるのか?」との質問に対して、「特別な準備はないが、心の中ではお悔やみ申している」とコメントしていたのだが、彼らもタイ同様に、左腕に喪章を付けて入場してきた。
 
 ラジャマンガラ競技場の49,749人収容に対して、この日の公式入場者数は36,534人。7割強といったところだ。レプリカユニホームの青と黒いシャツが半々くらいだろうか、華やかさはまったくない。その影響でサッカールーズイエローがやたらと映えて見えた。
 
 試合は、定刻の19:00にキックオフ。気になる日本対サウジアラビアの試合は、すでに75分を過ぎようとしていた。ストリーミングTVで埼玉の試合を見ながらのダブル観戦。横に座る恰幅の良い豪メディアに「日本はどうなっているんだ?」と再三再四ハイプレスを受けながら。
 
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