【日本代表】長谷部にかわり得る中盤の黒子――永木亮太という新たな選択肢

カテゴリ:日本代表

佐藤俊

2016年11月13日

得点やアシスト以外で”効いている存在”になれることを示した。

2ボランチを組んだ山口(写真)とのコンビネーションは良好だった。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

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 守備では前からアグレッシブにアプローチし、さらに球際の厳しさとボール奪取などいつも通りのプレーを見せた。

「守備は奪われた瞬間に前から行くことになっていました。前からプレスをかけていくやり方は個人的にはすごくやりやすかったですし、(山口)蛍との距離やバランスを注意しながらも上手くできたと思います」
 
 前から激しくプレッシングに行くスタイルは湘南のサッカーで磨かれた。また、プロ入り後、筋トレに励んだ成果は当たり負けせず、相手からボールを奪う力を向上させた。それをオマーン戦で披露し、絶妙なポジショニングでこぼれ球を拾った。日本がボールを奪われてもすぐに取り返し、スムーズに攻撃に移れたのは永木が効いていたからだ。
 
「こういう相手ですが、自分の中で準備してきたことができた手応えがあります。あとは周囲とコミュニケーションや連係を深めていけばもっと良い駒のひとりになれると思うんで、そういう風になれるようにやっていきたいです」
 
 自分のことを「駒」と言える選手はなかなかいない。それは年代別の代表の経験がなく、エリート意識がないからであろう。

 チームの勝利のために自分のやるべきことに撤する。ボランチがチームの攻守の要であるという自負を持ち、その責任感を果すべくプレーする。地味で面白みにかけると言われるかもしれないが、それが永木なのだ。
 
 今回、自分のプレーを見せても浮かれてはいない。キャプテンでレギュラーの長谷部の背中が見えてきたかと聞くと、「まだ、そこまでいっていないです」と、冷静に自分を見ている。
 
「ミドルとか打ちたかったですけど、今日はチャンスがなかった。あと縦パスをもう少しダイレクトで入れてもいいかなと思いましたけど、まだ入ったばかりなのでタイミングが合わないことがありました」
 
 初スタメンでボランチというポジションを考えると多くを望むのは難しい。攻撃の選手ではないので無理に何かをやろうとするとバランスが崩れるからだ。それでもチームに安定をもたらすことを優先している永木が、得点やアシスト以外で効いている存在になれることを示したのは確かだ。
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