父親の「強欲」で移籍交渉が複雑化…イタリア代表FWは売れ残る寸前だった

カテゴリ:移籍情報

ジャンルカ・ディ・マルツィオ

2016年11月01日

ユーロ建てとポンド建ての違いもわからず…。

新天地ウェストハムでは10節を終えてノーゴール。ザザはプレミアリーグで苦しんでいる。(C)Getty Images

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 A・マドリーからオファーが届いた時点でウェストハムとの移籍手続きはほぼすべて完了していたのだが、父親は契約の金額がユーロ建てなのかポンド建てなのかも分かっておらず、「ユーロとポンドだとどっちが儲かるんだ?」と聞いていたほど。ド素人もいいところだ。
 
 もっとも、結果的に好条件で移籍が成立したのは確かで、ザザ家の人々は満足しているだろう。週給は7万ポンド(約980万円)、移籍金が1年目はレンタルフィーで500万ユーロ(約6億円)、2年目以降は買い取り義務2000万ユーロ(約24億円)+ボーナス300万ユーロ(約3億6000万円)と最大で合計2800万ユーロ(約33億6000万円)。移籍金の一部は、代理人を担ったザザの父親に手数料として懐に入る。
 
 本人もプレミアリーグでレギュラーとしてプレーできる環境を手に入れたのだから、文句はないはずだ。ここまで結果は出ていないが……。
 
 ちなみに、前記したヴォルフスブルクとの交渉は成立直前まで行きながら、最後の最後で父親の出した条件をクラブ側が蹴るという形で破談になった。
 
 ヴォルフスブルクは、親会社の『フォルクスワーゲン』社が燃費データの偽装問題で巨額の損失を出しているため、強化予算の削減を余儀なくされている。ザザに2800万ユーロを投じるよりも、フィオレンティーナから700万ユーロ(約8億4000万円)でマリオ・ゴメスを買うほうを選んだのはそのためだ。
 
文:ジャンルカ・ディ・マルツィオ
翻訳:片野道郎
 
※『ワールドサッカーダイジェスト』2016.10.20号より加筆・修正。
 
【著者プロフィール】
Gianluca DI MARZIO(ジャンルカ・ディ・マルツィオ)/1974年3月28日、ナポリ近郊の町に生まれる。パドバ大学在学中の94年に地元のTV局でキャリアをスタートし、2004年から『スカイ・イタリア』に所属する。元プロ監督で現コメンテーターの父ジャンニを通して得た人脈を活かして幅広いネットワークを築き、「移籍マーケットの専門記者」という独自のフィールドを開拓。この分野ではイタリアの第一人者で、2013年1月にグアルディオラのバイエルン入りをスクープしてからは、他の欧州諸国でも注目を集めている。
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