「ミランが岡崎慎司の獲得を狙う」情報の元ネタと信憑性は?

カテゴリ:移籍情報

サッカーダイジェストWeb編集部

2016年10月31日

ベルルスコーニ所有のメディアセットが報じたニュースだが…。

今シーズンはベンチスタートが多かった岡崎だが、直近2試合は先発出場。ここにきてレスターでの存在感が増している。(C)Getty Images

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「ミランが岡崎慎司の獲得を狙っている」
 
 10月30日にイタリアの有料TV『メディアセット・プレミアム』内の番組『プレミアムスポーツ』でそう報じられ、日本でも大きく取り上げられたこのニュース。そもそもの元ネタはどこだったのだろうか。
 
 イタリア・メディアを時系列で振り返ると、最初に「ミラン」と「岡崎」を関連付けたのは、『Milannews.it』の10月20日の記事。カルロ・ペッレガッティ記者はこう綴っている。
 
「ミランを年内に手中に収める予定の中国コンソーシアムから新たなCEO兼GDに指名されたマルコ・ファッソーネは、チェルシー対レスター戦(10月15日)を現地ロンドンで観戦した。もちろんセスク・ファブレガスの獲得に向けた調査をするためだ。しかし、レスターのメンディと岡崎(2人ともこの日は出番なし)の情報も入手したかもしれない」
 
 他に両者を関連付けるニュースは一切なく、この記事が10月30日にプレミアムスポーツが報じたニュースの元ネタになっている可能性が高い。
 
 しかし、同番組は「ミランが狙う岡崎とレスターの契約は2019年まで」と伝えるに留まり、代理人にコンタクトを取った、レスターに放出の意思を確認した、など具体的な情報に欠ける。10日前の内容がアップデートされているとは決して言えない。
 
 さらに、「メディアセットを保有するのは、ミランの現オーナーであるシルビオ・ベルルスコーニだから、信憑性はある」と報じる日本メディアもあるが、一概にそうとは言い切れない。メディアセットはミランに情報を貰ってニュースを作っているわけではなく、引用を使って裏の取れていない噂レベルの情報を発信するという意味では、他の一般的な現地メディアと大差がない。
 
 もちろん、「火の無い所に煙は立たぬ」の格言通り、ヨーロッパの移籍市場では誰もが「絶対にありえない」と思っていた交渉が成立するケースが少なくない。
 
 しかも、中国コンソーシアムへの正式なクラブ売却が決まれば、“チャイナ・ミラン”が誕生する。冬か夏の退団が確実視される本田圭佑の後釜として、アジア市場拡大のためネームバリューのあるアジア人選手の獲得に動く可能性は確かにある。
 
 しかしそれでも、現時点では「ミランが岡崎を狙っている」というニュースは、根拠に乏しい“空想レベル”の噂話と言わざるをえない。続報を待ちたい。
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