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【英国人記者の視点】川崎に見る“パスだけのサッカー”の限界。現状は2、3年前のアーセナルで、目指すべきはバルサだ

カテゴリ:Jリーグ

スティーブ・マッケンジー

2016年10月31日

「2、3シーズン前のアーセナルを想起」させた現在の川崎が目指すべきはバルサだ!

すでに今シーズン限りでの退任を発表している風間八宏監督が、志向した“個性的なチーム作り”はリーグ戴冠を成し遂げることで実るだろう。 (C) SOCCER DIGEST

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 しかしながら私は、本数のわりに効果的ではないことも少なくなかった一連のパスに対する過度な依存は、一方で危険を孕んでいると感じた。中村の“美しいパス”で完璧に崩しての得点を求める川崎の姿勢は、2、3シーズン前のアーセナルを想起させた。
 
 あの当時のアーセナルは、正確なパス回しは見せていたが、「バルセロナの劣化版」と現地では言われていた。今の川崎は、どこか物足りないイングランドの強豪に似ている。
 
 川崎のショートパス中心の試合作りは決して悪くはないが、ポゼッションにこだわりすぎて仕掛けが少なく、ゴールチャンスが多くなかった。私は、見ていて少しくたびれさえした。
 
 試合は結局、川崎が1-0で勝利したが、彼らはその目標を手にするのに手こずった印象だった。彼らがスタイルに固執せず、自分たちの戦術を状況に応じて可変できていれば、もっと楽に試合をものにできていたのではないだろうか?
 
 彼らが質の高いポゼッションサッカーにトライすることは、もちろん称賛に値する。しかし、例えば、相手の意表を突くようなドリブルを織り交ぜることができれば、川崎のサッカーはより高みへと昇っていくはずだ。
 
 格好のモデルケースが、バルセロナだ。彼らは以前のようにポゼッションだけにこだわらず、カウンターも積極的に取り入れ、伝統の「魅せながら勝利する」をよりモダンに昇華させた。仮に川崎が同じことをやれれば、Jリーグ全体のレベルも上がっていくに違いない。
 
文:スティーブ・マッケンジー
 
スティーブ・マッケンジー (STEVE MACKENZIE)
profile/1968年6月7日にロンドンに生まれる。ウェストハムとサウサンプトンのユースでのプレー経験があり、とりわけウェストハムへの思い入れが強く、ユース時代からサポーターになった。また、スコットランド代表のファンでもある。大学時代はサッカーの奨学生として米国の大学で学び、1989年のNCAA(全米大学体育協会)主催の大会で優勝に輝く。
 
 
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