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「ペットボトル事件」でネイマールらを非難したリーガ会長、バルサの信頼を失って窮地に…

カテゴリ:ワールド

豊福晋

2016年10月31日

有能なテバスだが、今回の一件は言い過ぎだった。

明らかに不平等だったリーガの放映権料分配を是正するなど、テバス会長の手腕はたしか。しかし、今回の発言は……。(C)Getty Images

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 しかしそれでも、テバスの発言は適切とは言えなかった。
 
 彼はスタンドからペットボトルを投げ入れられた被害者であるバルサの選手を批判したが、それは「顔や身体に当たらなければ、ペットボトルの投げ入れなど大した問題ではない」と言っているようなものだからだ。まずは客席からピッチにモノを投げ入れる行為を厳しく批判し、第二の論点としてシミュレーションを指摘するべきだった。
 
 テバスは今シーズンからリーガ・エスパニョーラの各クラブに渡る放映権料の分配を是正したことから、それまでは富を独占していたバルサとレアル・マドリーの幹部に嫌われている。リーガの試合開始時間を分散したため、一部のサポーターも反感を持っている。
 
 また、今回の件に象徴される通り発言はストレートかつ無遠慮で、いつも問題にもなる。バルサのジョゼップ・マリア・バルトメウ会長も、「テバスの発言はスポーツリーダーとして無責任かつ、不適切なものである。口に出す前に考えるべきだ。この一件で我々はテバスへの信頼を失った」と公然と批判している。
 
 もちろん、テバスが有能であることは疑いようがない事実だ。2013年4月にLFP会長の座に就いた彼がいたからこそ、各クラブの負債が減り、世界中でのリーガの人気が上がり、放映権料も明らかに不平等だったかつての実質二強独占からより民主的な分配に落ち着いた。リーガにテバスは必要だ。
 
 だが、今回はやりすぎだった。
 
 バルサのラフィーニャは、バレンシア戦の一件についてクールにこう言い放った。
 
「敵のゴール裏で歓喜したからこうなった? じゃあ、もうゴールは祝わないようにする」
 
 バルサの選手がゴールを祝わないようになったら……。そうなればもっとも被害に遭うのは、バルサやマドリーでリーガの価値をアピールしたいテバス自身である。
 
文:豊福晋
 
【著者プロフィール】
1979年、福岡県生まれ。2001年のミラノ留学を経て、フリーで取材・執筆活動を開始。イタリア、スコットランドと拠点を移し、09年夏からはスペインのバルセロナに在住。リーガ・エスパニョーラを中心に、4か国語を操る語学力を活かして欧州フットボールシーンを幅広く、ディープに掘り下げている。独自の視点から紡ぐ、軽妙でいて深みのある筆致に定評がある。
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