岡崎慎司の献身と笑顔は「レスターらしくあるために不可欠」と誰もが再認識

カテゴリ:連載・コラム

山中忍

2016年10月25日

走行距離、スプリント数でチーム最高を記録した岡崎が攻守にもたらした安定感。

腐らずに真摯にサッカーに取り組む姿勢が、再び評価されている岡崎。次節(10節)のトッテナム戦でも先発起用を望む声は多い。 (C) Getty Images

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 岡崎は11キロを越えた走破距離でも、73回を数えたスプリント回数もチーム最高を記録。中盤深くまで下がって守備に加勢している時にも、まるで前線でフォアチェックを行っているかのように、積極的かつ執拗に敵とボールを追い回した。
 
 結果、カンテの穴が指摘されたチェルシー戦とは違い、クリスタル・パレスに中央からゴール前に攻め込まれることはなかった。
 
 同時に、岡崎は肝心の攻撃面でも献身的かつ精力的なパフォーマンスを披露する。この日本代表FWが足を止めず、常に味方にパスのオプションを提供しようと努めたことで、縦横無尽に動くリャド・マハレズや、左サイドから切れ込みたがるアーメド・ムサもスムーズに動くことができたのだ。
 
 事実、ムサが42分に決めた先制点にしても、流れたパスを敵に奪われる寸前に岡崎が身を投げ出してつま先で繋いでいなければ、相手ペナルティーエリアの手前でチャンスは消滅していた。
 
 自ら決めたチーム2点目も岡崎らしい得点だった。
 
 左サイドでのビルドアップに加わった後も動き止めなかった岡崎は、ゴール直前にダニー・ドリンクウォーターからクロスが入った時点ではセカンドボールを物にすることなどできないと思われる位置にいたはずが、手前で動きを止めた相手DFを追い抜いて右足でダイレクトシュートを放ち、ネットを揺らした。そして、あの満面の笑顔を見たのだ。
 
 試合翌日の地元紙『レスター・マーキュリー』には、次節トッテナム戦に向けて「岡崎は先発で必要か?」との見出しが付いた記事が掲載された。レスターが、しぶとくポイントを重ねた昨シーズンのようなレスターであるために、記事の答えはもちろん「イエス」だ。
 
文:山中忍
 
【著者プロフィール】
山中忍/1966年生まれ、青山学院大学卒。94年渡欧。イングランドのサッカー文化に魅せられ、ライター&通訳・翻訳家として、プレミアリーグとイングランド代表から下部リーグとユースまで、本場のサッカーシーンを追う。西ロンドン在住で、ファンでもあるチェルシーの事情に明るい。
 
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