セビージャで「八方塞がり」の清武…それでも日本代表のためにできることを――

カテゴリ:海外日本人

工藤拓

2016年10月21日

チーム状態が上向くにつれてメンバーの「固定化」が…

移籍市場最終日にレンタル加入したナスリだが、瞬く間にチームの信頼を掴み、いまやセビージャの中盤に欠かせない存在に。(C)Getty Images

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 たしかに清武が欠場を続けたここ1か月くらいの中盤は、ナスリを軸に、2列目はビトーロとバスケス、アンカーはステファン・エンゾンジで、彼らを休ませる際のファーストチョイスはプレミアリーグ移籍を蹴って残留したキャプテンのビセンテ・イボーラという序列だった。
 
 当初は毎試合ごとにシステムと人選を入れ替えてきた就任1年目のサンパオリ監督だが、この時期はユベントスとのCL初戦やベティスとのセビージャ・ダービーなど重要な試合が続いたため、ある程度メンバーを固定して戦うようになった。するとそれまで散々だったプレー内容も、試合を重ねるごとに向上の兆しが見えはじめる。そしてそれが、さらなるメンバーの“固定化”を促すことになったのだ。
 
 もちろん、「それでも諦めず練習でアピールするのがプロ」という意見はあるだろう。しかし、CLを含めて週2試合ペースの連戦が続く中では、日々の練習の大半はリカバリーや負荷を抑えた調整に費やされる。バックアッパーに甘んじる選手にとって、アピールどころか試合勘やスタミナを維持することも難しい環境である。清武もこう語る。
 
「練習は調整だから。移動して疲れている中で練習ってなると、やっぱ100%ではね。自分は100%でやるけど」
 
 さらに清武にとっては、代表戦のたびにチームを離れることも小さくないハンディキャップとなっている。
 
 過密日程をこなすチームにとって、リーグの中断期間はグループ戦術を深めるための貴重な時間だ。とくに今シーズンのセビージャは、各国代表チームの常連選手が意外なほど少ない。
 
 清武がワールドカップ予選を戦っている間、ポジション争いのライバルではビトーロを除いて、バスケス、ナスリ、イボーラ、ガンソ、ホアキン・コレア、パブロ・サラビアなどがチームに残り、サンパオリ監督が説く難解な戦術の消化に取り組んでいる。ただでさえ言葉の壁がある清武にとって、これはかなり不利な状況である。
 
「ここにきて、チームが出来上がってきている感じがある。9月の代表後より、10月の代表後のほうがすごくそれを感じた。これは結構厳しいなと思いながら合流しました」
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