セビージャで「八方塞がり」の清武…それでも日本代表のためにできることを――

カテゴリ:海外日本人

工藤拓

2016年10月21日

代表戦でチームを離れている間にナスリが周囲の信頼を掴む。

ここ6試合連続で出番がない清武。新天地セビージャで試練の時を迎えている。(C)Getty Images

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 10月18日、クロアチアのザグレブ。ミックスゾーンで顔見知りの記者を見つけると、清武弘嗣は開口一番に「よかった、よかった」と岡崎慎司のCL(チャンピオンズ・リーグ)デビューを喜んだ後、「俺はないっす。本当にやばい状況だと思います」と自身の現状について話しはじめた。
 
 同日にセビージャはディナモ・ザグレブとのCL第3節を1−0で制し、2勝1分けの勝点7でグループHの2位(ベスト16勝ち抜け圏内)に立った。これでチームは公式戦4連勝。リーガ・エスパニョーラでは4位のバルセロナを上回り、首位アトレティコ・マドリーと勝点1差の3位につけている。
 
 しかし、結果を出し続けるチームの傍で、清武は試合を重ねるごとに厳しい現実を突きつけられてきた。
 
 ターニングポイントとなったのは9月の代表ウィークだ。それまでは公式戦5試合のうち4試合に先発。エスパニョールとのリーガ開幕戦では1ゴール・1アシストと結果も出した。だがその後の9試合は9月17日のエイバル戦でフル出場しただけで、残る8試合は出番なしに終わっている。
 
「いま僕はたぶん、ディフェンスも合わせたら23人の中で、結構厳しい状況。どうしようもないんですけどね」
 
 なぜ、清武は突然に使われなくなってしまったのか。はっきりしている理由の1つが、サミア・ナスリの加入だ。
 
 国内リーグ中断中だった移籍市場最終日の8月31日にマンチェスター・Cからレンタル加入したフランス人MFは、清武がワールドカップ予選のためチームを離れている間に、ホルヘ・サンパオリ監督やチームメートの信頼を掴み、その後は中盤の組み立て役として欠かせない存在となった。
 
 それでも、トップ下が本職の清武と3列目で組み立て役を務めるナスリは共存が可能なはずだ。しかし、これまでサンパオリ監督は2人の併用を一度も試したことがない。
 
「サミア(ナスリ)のポジションはたぶんやらないと思います。今日はボランチだったから。あそこはビセンテ(イボーラ)が入るんじゃないですかね。それかムド(フランコ・バスケス)に代えてビセンテが入って、サミアが前に行ったり。ビセンテが色々なポジションをできるから」
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