アザールに復活の兆し――。契機は「自由を感じる」システム変更だ

カテゴリ:メガクラブ

山中忍

2016年10月17日

ナンバー10の好調さは守備面にも?

苦手だった守備も精力的にこなすようになったアザール。先のレスター戦でもボールを刈り取る姿が度々見られた。 (C) Getty Images

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 アザールは、チェルシー加入3年目の2014-15シーズンから背番号を17から10に変えたが、かねてからこのエースナンバーに相応しい役割を望んでいた。
 
 とはいえ、文字通りのトップ下を任されるようになったわけではない。スタート位置は中央にジエゴ・コスタを配する前線の左ウイングである。

 だが、高い位置で外に張り出しているウイングバックが、後方からのダイアゴナルパスを受けてはアウトサイドを駆け上がり、攻守が入れ替われば相手SBへのチェイシングも担当してくれることから、アザールは頻繁に好みのインサイドに出没できるようになった。
 
 レスターから奪ったチーム2点目がその一例だ。
 
 アザールは、センターサークル内のネマニャ・マティッチが前方に送ったパスに反応すると、ペナルティーアークから2人の相手DFの間をぬってボックス内に進入し、GKの脇を回り込んでネットを揺らしたのだ。
 
 気分的に乗っていることは、得意とは言えないボール奪取からも窺えた。
 
 79分、中央でセカンドボールを頭で競ったアザールは、敵のパスミスを見逃さずにダッシュ。ボールがタッチライン沿いで待つダニー・ドリンクウォーターに届く寸前に奪取すると、下半身の強さを活かしたキープでFKを獲得。結果、そこから組み立て直し、ダメ押しの3点目が決まったのだ。
 
 2連敗後には解雇の噂まで流れたコンテが踏み切ったシステム変更は、オーナーのお気に入りでもある「10番」を輝かせている。
 
 アザール本人が、「監督が目指す戦い方は理解しているし、チームとしてもっとやれる」と言っている通り、3バック到来の10月をもって、コンテ体制のチェルシーが本格的に始動を告げたようだ。
 
文:山中忍
 
【著者プロフィール】
山中忍/1966年生まれ、青山学院大学卒。94年渡欧。イングランドのサッカー文化に魅せられ、ライター&通訳・翻訳家として、プレミアリーグとイングランド代表から下部リーグとユースまで、本場のサッカーシーンを追う。西ロンドン在住で、ファンでもあるチェルシーの事情に明るい。
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