クラブでも代表でも控えに降格…岐路に立つルーニーの行く末は?

カテゴリ:メガクラブ

山中忍

2016年10月13日

ユナイテッドと代表で初となる苦難を乗り越えられるか?

6節からルーニーをベンチに置いたモウリーニョ。しかし、「イングランド・サッカーの歴史で重要な選手」と必要不可欠な選手であることを強調している。 (C) Getty Images

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 前線の軸となる1トップはズラタン・イブラヒモビッチが実力で物にした。その老獪な新CFのサポート役となる2列目に、ルーニーが失いつつある“速さ”を求める指揮官の意向は頷ける。
 
 中盤の主役は、やはり、31歳目前のルーニーが失っているダイナミックな攻撃力が光るポール・ポグバが担うべきだろう。かといって、この23歳の引き立て役に専念できるほどルーニーは守備的ではない。
 
 代表でも、前線には同じマンチェスター・Uのマーカス・ラッシュフォードとジェシー・リンガードが台頭し、トップ下は「デル・アリのもの」という認識が一般的だ。
 
 セントラルMFでは、マルタ戦で抜群のパフォーマンスを示し、リバプールでも中核となりつつあるジョーダン・ヘンダーソンと、スロベニア戦では低調だったもののトッテナムで主力に成長したエリック・ダイアーがコンディションの良さと将来性で優位にある。
 
 そもそもルーニーは、こうした現状が示すように奪回を狙うポジション自体が定まらないのだ。それだけハイレベルな「万能型フットボーラー」だったということだが、肉体の衰えを隠せない今、キャリアの延命を図るための転向先が絞れない状況は辛い。少なくとも、昨シーズン後半に自らが意識した「中盤」でチャレンジする時間が欲しいところだろう。
 
 マンチェスター・Uでなら、4-3-3へのシステム変更が前提になるが、ポグバとの呼吸が微妙なマルアン・フェライニではなくアンデル・エレーラをアンカーに置き、その手前で機を見て上がるインサイドハーフの一角を務める姿は想像できる。
 
 照準が定まれば、MFとして問題視されるポジショニングとマークの意識改善も強めやすく、本格的なMF転向路線は、初陣となったマルタ戦でセンターハーフを任せたガレス・サウスゲート暫定代表監督も歓迎するだろう。
 
 マンチェスター・Uと代表のキャリアで初とも言うべき純然たる「定位置」争いを戦い抜けば、ルーニーは“アイル・ビー・バック”を地で行けるかもしれない。
 
文:山中忍
 
【著者プロフィール】
山中忍/1966年生まれ、青山学院大学卒。94年渡欧。イングランドのサッカー文化に魅せられ、ライター&通訳・翻訳家として、プレミアリーグとイングランド代表から下部リーグとユースまで、本場のサッカーシーンを追う。西ロンドン在住で、ファンでもあるチェルシーの事情に明るい。
 
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