松本は、広い視野を持って多くの情報をインプットし、的確な判断を下せる選手だ。実行する技術を備えているためにプレーの選択は多彩。その中で、自身の能力をアピールするための決定的な武器となるカットインシュートを持っている。元々のプレースタイルを強化したのではなく、新たな武器を求め、手に入れることで武器の生かし方を増やすことができた。
 
　昌平高では左サイドMFが定位置だが、広島での練習やサテライトゲームでは「３-６-１」の２シャドーの一角でプレー。スカウトを担当した広島の村山哲也強化担当は松本を次のように評価している。
 
「高校年代は、ユーティリティ性もまだ大事。最近では各チームがスタイルを持ち、ポジションが固定されがち。でも、若いうちはいろいろなポジションをやって可能性を探ってほしい。昌平で左のワイドに入っているのは、彼にとってはすごく良いこと。多分、彼のカットインシュートは、あのポジションで磨かれたものだし、彼は中央でもプレーできるけど（守備の負担も大きい）サイドで使われたことで運動量の面でも伸びたのだと思う」
 
　村山強化担当はこう述べて、様々なポジションを経験してプレーの選択に幅があることも、高い評価を得た要因であることを明かした。