地獄から天国へ――。「手のひら返し」でインテルを取り巻く空気が一変する

カテゴリ:メガクラブ

片野道郎

2016年09月23日

新オーナーが選手とスタッフに高級中華料理を振る舞う。

張近東オーナーはイタリア・ダービーを現地観戦。試合後には高級中華料理店でチームの勝利を祝った。(C)Getty Images

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 こんな状況のため、ユーベ戦を前にしてインテルの巻き返しに賭け金を投じようという向きはほとんどなかった。大手ブックメーカー『SNAI』のオッズも、インテル勝利4.50/引き分け3.30/ユーベ勝利1.90という数字だったほどだ。
 
 ところが蓋を開けてみれば、インテルがアグレッシブなハイプレスでユーベを困難に陥れ、66分に先制を許したものの2分後の68分にマウロ・イカルディのゴールで追いつき、78分にはイバン・ペリシッチが決勝弾をゲット。最後は敵の猛攻をなんとか弾き返し、見事な逆転勝利を収めた。
 
 サン・シーロを埋めたインテリスタは、ジョゼ・モウリーニョ時代以来というホームでのイタリア・ダービー勝利に酔いしれ、試合終了後もスタンドに残ってチャントを歌い続けた。
 
 ちなみにこの日は、今夏に新オーナーとなった中国・蘇寧グループの張近東会長が、新スタジアムの構想を巡ってミラノ市長と会談する目的もあって現地入りしており、前オーナーでとりあえず会長職に留まっているエリック・トヒルとともにサン・シーロに姿を見せていた。
 
 張近東オーナーは試合後、チームとスタッフの総勢60人をミラノ市内の高級中国料理店に招待。フカヒレスープから北京ダックまでの各種料理、そして中国の中秋節を祝う月餅を振る舞ったという。
 
 翌日のガゼッタ・デッロ・スポルト紙は、「クレイジーなインテル」という大見出しを掲げ、「ひとつのチームが誕生した。リードされながらイカルディ、運動量、戦術で勝利を掴む」と、3日前と同じ新聞とは思えないほど持ち上げた。
 
 また、ラ・レプブリカ紙も「戦術的ディシプリン、虎の眼差し(アイ・オブ・ザ・タイガー)、勝利を求めるハングリー精神。そこにはデブールの手が見て取れる」と、3日前にこき下ろした監督を一転して賞賛した。
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