メッザーラは本田に合っている! 候補は他にも多々いるが…。
ただ、本田はこのウディネーゼ戦で、「ベンチの呪縛」からは解かれた。後半34分、交代で今シーズン初めてピッチに立ったからだ。それだけは良い兆候と言えよう。
今回起用されたからといって、今後も連続して使ってもらえるという保証はないが、シーズン終盤までにはそのチャンスも出てくるだろう。試合後、モンテッラは初めて、本田について賞賛の言葉を述べた。
「彼は良いインパクトを与えた」
確かに、その通りだ。本田は数回、サイドで光るプレーを見せた。そのうちのひとつはバッカへのクロスで、これはPKに繋がるはずだったが、審判がそれ認めなかった。もしPKになっていれば、本田に対するモンテッラの心象は、もっと良くなっていただろう。
それでもモンテッラは、この10分足らずの時間で本田が見せた頑張りを、見逃しはしなかった。
ただ、指揮官の頭のなかで、本田の序列が低いことに変わりはない。本田を3トップの右で使うために、モンテッラはメッザーラ(中盤のサイド)のソサを引っ込め、右サイドのポーリも代え、スソを中盤の底にまで下げた。
モンテッラは、スソをどうしても使い続けたいようだ。それなら――と私は考える。本田を、メッザーラとして使ってみてはどうだろうか? 試してみるだけの価値はあると私は思う。
これから先、モンテッラは試合のリズムを即座に変えられ、予測不可能なプレーのできる選手を求めるはずだが、本田はメッザーラとしてプレーする資質を持っているのではないだろうか。
このポジションには、まず持続力と協調性が求められる。第二に、守備も自分の仕事であるという自覚を持っていなければならない。本田はミランに来て、守備力を大いにつけたし、タイミングも正確、周りと合わせることもできる。彼をこのポジションで試してみても、決して損はないはずである。
もちろん、メッザーラにもライバルは多い。ソサに加え、ポーリもいるし、何よりクツカが今のところ、モンテッラのなかではこのポジションのレギュラーだ。さらに、新加入のパシャリッチとM・フェルナンデスも、ここで使うことができる。
どう転んでも、本田の今後が厳しいことに変わりはなさそうだ。しかし、とにかく今回、モンテッラの期待に多少は応えることができた。監督が与える数分間のチャンスで、できるだけインパクトの強いプレーを見せる――本田には今のところ、それ以上の武器はないようだ。
文:マルコ・パソット(ガゼッタ・デッロ・スポルト紙)
翻訳:利根川晶子
【著者プロフィール】
Marco PASOTTO(マルコ・パソット)/1972年2月20日、トリノ生まれ。95年から『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙で執筆活動を始める。2002年から8年間ウディネーゼを追い、10年より番記者としてミランに密着。ミランとともにある人生を送っている。
今回起用されたからといって、今後も連続して使ってもらえるという保証はないが、シーズン終盤までにはそのチャンスも出てくるだろう。試合後、モンテッラは初めて、本田について賞賛の言葉を述べた。
「彼は良いインパクトを与えた」
確かに、その通りだ。本田は数回、サイドで光るプレーを見せた。そのうちのひとつはバッカへのクロスで、これはPKに繋がるはずだったが、審判がそれ認めなかった。もしPKになっていれば、本田に対するモンテッラの心象は、もっと良くなっていただろう。
それでもモンテッラは、この10分足らずの時間で本田が見せた頑張りを、見逃しはしなかった。
ただ、指揮官の頭のなかで、本田の序列が低いことに変わりはない。本田を3トップの右で使うために、モンテッラはメッザーラ(中盤のサイド)のソサを引っ込め、右サイドのポーリも代え、スソを中盤の底にまで下げた。
モンテッラは、スソをどうしても使い続けたいようだ。それなら――と私は考える。本田を、メッザーラとして使ってみてはどうだろうか? 試してみるだけの価値はあると私は思う。
これから先、モンテッラは試合のリズムを即座に変えられ、予測不可能なプレーのできる選手を求めるはずだが、本田はメッザーラとしてプレーする資質を持っているのではないだろうか。
このポジションには、まず持続力と協調性が求められる。第二に、守備も自分の仕事であるという自覚を持っていなければならない。本田はミランに来て、守備力を大いにつけたし、タイミングも正確、周りと合わせることもできる。彼をこのポジションで試してみても、決して損はないはずである。
もちろん、メッザーラにもライバルは多い。ソサに加え、ポーリもいるし、何よりクツカが今のところ、モンテッラのなかではこのポジションのレギュラーだ。さらに、新加入のパシャリッチとM・フェルナンデスも、ここで使うことができる。
どう転んでも、本田の今後が厳しいことに変わりはなさそうだ。しかし、とにかく今回、モンテッラの期待に多少は応えることができた。監督が与える数分間のチャンスで、できるだけインパクトの強いプレーを見せる――本田には今のところ、それ以上の武器はないようだ。
文:マルコ・パソット(ガゼッタ・デッロ・スポルト紙)
翻訳:利根川晶子
【著者プロフィール】
Marco PASOTTO(マルコ・パソット)/1972年2月20日、トリノ生まれ。95年から『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙で執筆活動を始める。2002年から8年間ウディネーゼを追い、10年より番記者としてミランに密着。ミランとともにある人生を送っている。