マン・C新守護神ブラーボはプレミアリーグに新たなGK像をもたらせるのか!?

カテゴリ:メガクラブ

山中忍

2016年09月13日

数字が示すペップのシティにおけるブラーボの存在意義。

ミスも目立ったブラーボに対して指揮官のグアルディオラは「失点後も彼はビルドアップで貢献し続けた」と賞賛した。 (C) SOCCER DIGEST

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 ただし、初戦後の反応は酷評の嵐というほどひどくはなく、賛否両論といった程度だった。マンチェスター・Cの勝利(2-1)という結果もあるが、ペップ・グアルディオラ新監督がハートには不向きと判断した、「スイーパー・キーパー」としての能力を示したからだ。
 
 ペナルティーエリア外も領分とする攻撃の起点としての存在意義は、総合的には10点満点中4点の低評価が目立った国内各紙も認めるところ。「56」を数えたボールタッチのうち15回がエリア外という数字は、プレミアに新手のGKが加わったことを示している。
 
 この日にブラーボが見せたロングキックやフィードに、特筆すべきパスがあったとは思えない。「GKとしては過去最高の部類に入るパフォーマンスを見せた」というグアルディオラによる評価は、いかに新戦力とはいえ褒め過ぎだろう。
 
 しかし、足下に自信を持つ者ならではのポジショニングは効いていた。GKがエリアの淵にいるチームの最終ラインは必然的に中盤寄りの高さを保ち、このプレミアで最も高いハイラインが、前半を圧倒したマンチェスター・C優勢の一因となっていた。
 
 もっとも、その流れを変えてしまったのもブラーボ自身。優勝候補同士のダービーに勝利したマンチェスター・Cに「最右翼」の呼び声が高まる一方で、その新守護神候補はチームの「弱点」に挙げられてしまっている。
 
 プレミア1年目に手にする定評は、果たして「スイーパー・キーパー第1号」か、はたまた「ドッジー・キーパー最新版」か? ひとまず、デビュー戦での姿が、ボックス内で砦を守る「ゴールキーパー」とは呼べない類いのものであったことは間違いない。
 
文:山中忍
 
【著者プロフィール】
山中忍/1966年生まれ、青山学院大学卒。94年渡欧。イングランドのサッカー文化に魅せられ、ライター&通訳・翻訳家として、プレミアリーグとイングランド代表から下部リーグとユースまで、本場のサッカーシーンを追う。西ロンドン在住で、ファンでもあるチェルシーの事情に明るい。
 
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