私がイグアインのスクープを最初に出したのは日本だった。
もちろんナポリはその間、この動きをまったく知らないままだった。イグアインとの合意が成立したところで、ユーベの意を受けたニコラスがナポリのアウレリオ・デ・ラウレンティス会長に対する不信感や不満を口にするという形でこの話を表に出すきっかけを作った、という段取りだ。
当然ながら彼らは、話が表沙汰になることで移籍話が飛んでしまうのを強く怖れていた。ナポリにとってイグアインはシンボル的な存在であり、サポーターも強い愛情を注いでいるのは周知の事実。宿敵ユーベがそのイグアインを獲りに動いているという話が表面化すれば、それだけで暴動に近い騒ぎが起こる事態も考えられた。
私自身、パラティチともソンメッラとも以前から良好な関係を保っており、彼らが動いているのは当初から知っていたのだが、うかつなスクープによって状況を壊すのは本意ではない。状況を見守りながら、スクープを打つタイミングを図るという状態がけっこう長く続いた。
ちなみに、私が最初に「ユーベはイグアインを密かに狙っている」という情報を出したのは、連載コラムを寄せている日本の『サッカーダイジェストWeb』だった。その時点でイタリアでは当人たちを除いて誰ひとり、ユーベがイグアイン獲りに動いている事実は知らなかった。当時の状況からして、イタリアでこの情報を出すのは不可能だったのだ。
※ディマルツィオ記者がサッカーダイジェストWebに寄稿したイグアインのスクープ記事
ユーベは、違約金の9000万ユーロ(約108億円)という値札そのものは受け入れていたものの、全額をキャッシュで支払うのではなく、ロベルト・ペレイラ(後にワトフォードに移籍)やシモーネ・ザザ(後にウェストハムに移籍)、ダニエレ・ルガーニ、ステーファノ・ストゥラーロといった余剰戦力を交渉に組み入れ、それも含めたトータルで9000万ユーロを支払うという形を望んでいた。
当初はその可能性もなかったわけではない。しかし、移籍の噂が表に出始めてマスコミやサポーターが騒ぎ出すと、ナポリは彼らからの攻撃を避けるために「ユベントスとは一切交渉するつもりはない」という強い姿勢を打ち出さざるを得なくなった。
ナポリが交渉に応じない以上、ユーベが余剰戦力をこの移籍に組み込むのは不可能だ。残された選択肢は、違約金を全額支払ってナポリとの契約を一方的に解除することだけだった。
ニコラスが口を開き、それを受けて移籍サイトやツイッターでユーベ移籍の可能性が取り沙汰され始めるまで、私はスクープを控えていた。
しかし噂が表に出た以上、私もそれを上回る確実な情報で対抗する以外にはない。そこで、「ユーベとイグアインの間にはすでに合意が成立しており、もしナポリが交渉に応じない場合、ユーベには違約金を全額支払う用意がある(実際には4500万ユーロずつの2年分割)」というディテールまでを、『スカイスポルト24』(『スカイ・イタリア』の24時間スポーツニュースチャンネル)でスクープした。
その時点でユーベはイグアインに対して、「ナポリが交渉を拒否しても違約金を全額支払うから心配はいらない、ナポリの慰留には応じずに強い態度を保ってほしい」と言い続けていた。
当然ながら彼らは、話が表沙汰になることで移籍話が飛んでしまうのを強く怖れていた。ナポリにとってイグアインはシンボル的な存在であり、サポーターも強い愛情を注いでいるのは周知の事実。宿敵ユーベがそのイグアインを獲りに動いているという話が表面化すれば、それだけで暴動に近い騒ぎが起こる事態も考えられた。
私自身、パラティチともソンメッラとも以前から良好な関係を保っており、彼らが動いているのは当初から知っていたのだが、うかつなスクープによって状況を壊すのは本意ではない。状況を見守りながら、スクープを打つタイミングを図るという状態がけっこう長く続いた。
ちなみに、私が最初に「ユーベはイグアインを密かに狙っている」という情報を出したのは、連載コラムを寄せている日本の『サッカーダイジェストWeb』だった。その時点でイタリアでは当人たちを除いて誰ひとり、ユーベがイグアイン獲りに動いている事実は知らなかった。当時の状況からして、イタリアでこの情報を出すのは不可能だったのだ。
※ディマルツィオ記者がサッカーダイジェストWebに寄稿したイグアインのスクープ記事
ユーベは、違約金の9000万ユーロ(約108億円)という値札そのものは受け入れていたものの、全額をキャッシュで支払うのではなく、ロベルト・ペレイラ(後にワトフォードに移籍)やシモーネ・ザザ(後にウェストハムに移籍)、ダニエレ・ルガーニ、ステーファノ・ストゥラーロといった余剰戦力を交渉に組み入れ、それも含めたトータルで9000万ユーロを支払うという形を望んでいた。
当初はその可能性もなかったわけではない。しかし、移籍の噂が表に出始めてマスコミやサポーターが騒ぎ出すと、ナポリは彼らからの攻撃を避けるために「ユベントスとは一切交渉するつもりはない」という強い姿勢を打ち出さざるを得なくなった。
ナポリが交渉に応じない以上、ユーベが余剰戦力をこの移籍に組み込むのは不可能だ。残された選択肢は、違約金を全額支払ってナポリとの契約を一方的に解除することだけだった。
ニコラスが口を開き、それを受けて移籍サイトやツイッターでユーベ移籍の可能性が取り沙汰され始めるまで、私はスクープを控えていた。
しかし噂が表に出た以上、私もそれを上回る確実な情報で対抗する以外にはない。そこで、「ユーベとイグアインの間にはすでに合意が成立しており、もしナポリが交渉に応じない場合、ユーベには違約金を全額支払う用意がある(実際には4500万ユーロずつの2年分割)」というディテールまでを、『スカイスポルト24』(『スカイ・イタリア』の24時間スポーツニュースチャンネル)でスクープした。
その時点でユーベはイグアインに対して、「ナポリが交渉を拒否しても違約金を全額支払うから心配はいらない、ナポリの慰留には応じずに強い態度を保ってほしい」と言い続けていた。