ミランの国内でも中位、バレンシアは巨額のプラスとなるも…。

外国人オーナーがチームの強化を約束したものの、主力は次々に引き抜かれ、補強は進まず……。バレンシアに残ったのは、巨額の移籍金とファンの怒りだった。写真は8月のプレシーズンマッチ。 (C) Getty Images
今夏、このド派手な選手獲得合戦に加わらなかったのがレアル・マドリーで、3000万ユーロの支出の大部分は、アルバロ・モラタをユベントスから呼び戻すためのものだった。既存戦力が充実している証拠だろう。
そんなマドリーの宿敵であるバルセロナは、補強費が1億ユーロを超えたのに対し、選手の放出で得た額は3000万ユーロ強。しかし、アンドレ・ゴメス、サミュエル・ウンティティら、EURO2016でも活躍した選手の獲得は、将来への投資として決して高い買い物ではなかったと言えよう。
ミランは株式譲渡交渉が長引いた影響で、今夏に補強のための資金を得られず、支出額は上位クラブからはるかに下回るものとなった。ちなみに、収入の1450万ユーロの大半は、ステファン・エル・シャーラウィのローマへの完全移籍で得たものである。
多くの選手を放出して移籍金収入は多かったものの、支出が少なかった例も多々ある。代表的なのは、スペインのバレンシアだ。
パコ・アルカセル、A・ゴメス、スコドラン・ムスタフィといった選手を次々に引き抜かれ、得た収入は1億ユーロ超。しかし、補強に費やしたのは3000万ユーロであり、主力の抜けた穴を埋め切れていないことは、ここからも窺える。
日本人選手が所属するクラブでは、清武弘嗣が加入した(移籍金は650万ユーロ)セビージャは6000万ユーロ以上を投じて積極的に補強を展開したが、それでも今夏の収支は2000万ユーロ以上のプラスである。
岡崎慎司のレスターは、プレミアリーグ王者として収入も倍加し、エヌゴロ・カンテ以外の主力はほぼ残留した一方で、7000万ユーロ以上という大枚をはたいて多くの新戦力を獲得したが、それでも前述の金満クラブ、そしてトッテナム、リバプールより補強額は下回っている。
最後に、オイルマネーによって無尽蔵の財源を持つといわれるパリ・サンジェルマンだが、今夏はレスターよりも少ない金額の投資に止まった。
グジェゴシュ・クリホビアクやヘセの獲得に計6000万ユーロ弱を費やしたものの、ズラタン・イブラヒモビッチは契約満了でチームを去り、移籍市場最終日にはダビド・ルイスがチェルシーに復帰するなど、どちらかといえば主力を失う側に立った印象が強い(それでも十分に陣容は揃っているが)。
番外編として、今夏、上海上港がフッキを5600万ユーロで獲得するなど、相変わらずの“爆買い”を見せた中国のクラブに目を向けると、今春のリーグ開幕前には江蘇蘇寧が約1億ユーロ、河北華夏幸福が7700万ユーロ、そして広州恒大は7000万ユーロ弱だった。
上海上港は春の段階では2750万ユーロだったが、前述のフッキの獲得で、春の支出を合わせると8000万ユーロを超えている。かつては遠い欧州や中東だけの話だったビッグディールが、今夏も日本のお隣で派手に展開されていた……。
そんなマドリーの宿敵であるバルセロナは、補強費が1億ユーロを超えたのに対し、選手の放出で得た額は3000万ユーロ強。しかし、アンドレ・ゴメス、サミュエル・ウンティティら、EURO2016でも活躍した選手の獲得は、将来への投資として決して高い買い物ではなかったと言えよう。
ミランは株式譲渡交渉が長引いた影響で、今夏に補強のための資金を得られず、支出額は上位クラブからはるかに下回るものとなった。ちなみに、収入の1450万ユーロの大半は、ステファン・エル・シャーラウィのローマへの完全移籍で得たものである。
多くの選手を放出して移籍金収入は多かったものの、支出が少なかった例も多々ある。代表的なのは、スペインのバレンシアだ。
パコ・アルカセル、A・ゴメス、スコドラン・ムスタフィといった選手を次々に引き抜かれ、得た収入は1億ユーロ超。しかし、補強に費やしたのは3000万ユーロであり、主力の抜けた穴を埋め切れていないことは、ここからも窺える。
日本人選手が所属するクラブでは、清武弘嗣が加入した(移籍金は650万ユーロ)セビージャは6000万ユーロ以上を投じて積極的に補強を展開したが、それでも今夏の収支は2000万ユーロ以上のプラスである。
岡崎慎司のレスターは、プレミアリーグ王者として収入も倍加し、エヌゴロ・カンテ以外の主力はほぼ残留した一方で、7000万ユーロ以上という大枚をはたいて多くの新戦力を獲得したが、それでも前述の金満クラブ、そしてトッテナム、リバプールより補強額は下回っている。
最後に、オイルマネーによって無尽蔵の財源を持つといわれるパリ・サンジェルマンだが、今夏はレスターよりも少ない金額の投資に止まった。
グジェゴシュ・クリホビアクやヘセの獲得に計6000万ユーロ弱を費やしたものの、ズラタン・イブラヒモビッチは契約満了でチームを去り、移籍市場最終日にはダビド・ルイスがチェルシーに復帰するなど、どちらかといえば主力を失う側に立った印象が強い(それでも十分に陣容は揃っているが)。
番外編として、今夏、上海上港がフッキを5600万ユーロで獲得するなど、相変わらずの“爆買い”を見せた中国のクラブに目を向けると、今春のリーグ開幕前には江蘇蘇寧が約1億ユーロ、河北華夏幸福が7700万ユーロ、そして広州恒大は7000万ユーロ弱だった。
上海上港は春の段階では2750万ユーロだったが、前述のフッキの獲得で、春の支出を合わせると8000万ユーロを超えている。かつては遠い欧州や中東だけの話だったビッグディールが、今夏も日本のお隣で派手に展開されていた……。