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代理人メンデスの「法外なコミッション要求」で複雑化…。アンドレ・ゴメス争奪戦の舞台裏

カテゴリ:移籍情報

ジャンルカ・ディ・マルツィオ

2016年08月25日

R・マドリーは移籍金も個人の契約内容も合意に達しながら…。

C・ロナウド(左)やモウリーニョの代理人としても知られる敏腕メンデス。今回のA・ゴメス移籍に関しては、次回売却時のコミッションに加え、移籍金と同額の3500万ユーロ(約42億円)のインセンティブなど、様々な要求をバルサに呑ませた。(C)Getty Images

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 こうして残ったのが、R・マドリーとバルサというスペイン2強。R・マドリーはメンデスと何度も交渉を持ったが、やはり次回売却時のパーセンテージをめぐって話がまとまらず、最後には降りることになる。
 
 バレンシアに支払う移籍金(4000万~4500万ユーロ+ボーナス)についても、ゴメスと交わす契約についても合意に達していながらだ。
 
 唯一解決しなかったのが、次回の移籍時にメンデスに支払うべきパーセンテージの設定だったというわけである。
 
 逆に言えば、メンデスの要求を呑んだのはバルサだけだったということになる。これは、バルサにとってゴメスが必要な選手だったという戦力的な要求に加えて、宿敵R・マドリーとの競合に勝つという政治的側面もあったものと考えられる。
 
 ほとんどのマスコミが「ゴメスはR・マドリーに行く」というニュースを流しつづけている時に、逆転でそれを奪い取る――。両チームのライバル関係からしてこれ以上胸のすく話はない。
 
 そのためならば、次回売却時の移籍金から30%(最終的にはこの数字で合意したようだ)をメンデスに支払うのも仕方ないだろう、という判断だったというわけだ。
 
文:ジャンルカ・ディ・マルツィオ
翻訳:片野道郎
 
※『ワールドサッカーダイジェスト』2016.09.01より加筆・修正。
 
【著者プロフィール】
Gianluca DI MARZIO(ジャンルカ・ディ・マルツィオ)/1974年3月28日、ナポリ近郊の町に生まれる。パドバ大学在学中の94年に地元のTV局でキャリアをスタートし、2004年から『スカイ・イタリア』に所属する。元プロ監督で現コメンテーターの父ジャンニを通して得た人脈を活かして幅広いネットワークを築き、「移籍マーケットの専門記者」という独自のフィールドを開拓。この分野ではイタリアの第一人者で、2013年1月にグアルディオラのバイエルン入りをスクープしてからは、他の欧州諸国でも注目を集めている。
 
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