ベルギーで“異質”なSTVVが旋風を巻き起こす。強敵に競り勝ち堂々2位。プレーオフ1だ! CLだ! ロッカールームから飛び出すマジカルワード【現地発】
カテゴリ:海外日本人
2025年12月10日
「調子に乗ることなくやらないといけません」
2-2で迎えた81分、途中出場のストライカー、フェラーリが右からのクロスをオーバーヘッド気味のジャンピングボレーで決勝ゴールとなるゴラッソを決めた。すると73分にベンチに退いた後藤啓介がピッチの中まで入って、大喜びでライバルに抱きついた。
「誰が試合に出てもゴールを喜ぶのが今のシント=トロイデン。それが形となって今、強い相手に勝っている要因。チームが勝つことが一番嬉しい。彼(フェラーリ。後藤にレギュラーの座を奪われた)にとっては難しいシーズンだと思いますが、僕は彼が頑張っているのを知ってます。(連戦と自身のコンディションのため)自分は70分で代わると思ってたので、今日は彼に活躍してほしいと思ってました」(後藤)
負けると順位がSTVVと入れ替わり、2位の座を譲って3位に沈んでしまうクラブ・ブルージュは、パワープレーで追いつこうと遮二無二に来た。STVVには小久保のビッグセーブがあった。バーに助けられたシーンもあった。運もあった。何より身体を張った守備があった。
「ゴール前での『身体に当てて守ってやる』という気持ちが本当に強い。特に今日はクラブ・ブルージュが相手だったということもありますが」(山本)
「もう願うだけでした。身長の高い選手がどんどん前線に入ってきて、2、3点やられても仕方のない状況でしたが、彰悟君を中心にディフェンス陣が守ってくれました。失点を2に抑えることができたのは良い収穫でした」(小久保)
「みんなキツかったと思います。3日前にはカップ戦で120分間戦ったし、みんな足にきていたと思いますが、最後の最後、本当に気持ちを見せて戦ってくれた。あとボールへの最後の反応が良かったと思います。このチームが強くなっているのを感じました。ロングボールを放り込んで圧をかけてくる相手にしっかり守り切って、勝ち切ったことは評価できると思います。これがまたチームの自信に繋がったかなと思います」(谷口)
この夜、1万人の観衆が見たのは“STVV”という名のひとつのチーム。5人の日本人が先発したとかどうとか、それは些末なことだ。
「誰が試合に出てもゴールを喜ぶのが今のシント=トロイデン。それが形となって今、強い相手に勝っている要因。チームが勝つことが一番嬉しい。彼(フェラーリ。後藤にレギュラーの座を奪われた)にとっては難しいシーズンだと思いますが、僕は彼が頑張っているのを知ってます。(連戦と自身のコンディションのため)自分は70分で代わると思ってたので、今日は彼に活躍してほしいと思ってました」(後藤)
負けると順位がSTVVと入れ替わり、2位の座を譲って3位に沈んでしまうクラブ・ブルージュは、パワープレーで追いつこうと遮二無二に来た。STVVには小久保のビッグセーブがあった。バーに助けられたシーンもあった。運もあった。何より身体を張った守備があった。
「ゴール前での『身体に当てて守ってやる』という気持ちが本当に強い。特に今日はクラブ・ブルージュが相手だったということもありますが」(山本)
「もう願うだけでした。身長の高い選手がどんどん前線に入ってきて、2、3点やられても仕方のない状況でしたが、彰悟君を中心にディフェンス陣が守ってくれました。失点を2に抑えることができたのは良い収穫でした」(小久保)
「みんなキツかったと思います。3日前にはカップ戦で120分間戦ったし、みんな足にきていたと思いますが、最後の最後、本当に気持ちを見せて戦ってくれた。あとボールへの最後の反応が良かったと思います。このチームが強くなっているのを感じました。ロングボールを放り込んで圧をかけてくる相手にしっかり守り切って、勝ち切ったことは評価できると思います。これがまたチームの自信に繋がったかなと思います」(谷口)
この夜、1万人の観衆が見たのは“STVV”という名のひとつのチーム。5人の日本人が先発したとかどうとか、それは些末なことだ。
山本は今季のSTVVをこう分析する。
「前の2シーズンに比べて、みんなの球離れが良い。1年目だったらコイタ、去年だったらベルタッチーニといった、一人で剥がしてシュートみたいなスペシャルな選手が今季はいませんが、その分、球離れが早く、周りを使って攻めるのが得意な選手が多い。僕もそういう面ではやりやすさがある」
――ベルギーの中で異質のチームになりました。
「そうですね。(ベルギーは)ウイングがどんどん仕掛けて、行けるのか、取られるのかと、いつも五分五分の勝負をする選手ばかりですけれど、このチームはそういう単騎突破みたいなタイプがいないので、異質かなと思います」
クラブ・ブルージュに3-2で競り勝ったSTVVは堂々2位になった。昨季は最終節でようやく1部残留を、しかも奇跡のような形で決めた小クラブが、7位のヘンク、8位のヘントに勝点10差をつけて、プレーオフ1出場圏の6位内にいるのである。STVV3季目の山本に「シーズン前に今のSTVVの姿を想像できたか?」と訊いた。
「想像できなかったです。ロッカールームで『チャンピオンズリーグ!』『ヨーロッパリーグ!』なんて言葉が出てますが、今までそんな単語、出てこなかった(笑)」
ロッカールームから飛び出すマジカルワード「プレーオフ1」、そして「チャンピオンズリーグ」。このことを主将として谷口はどう受け止めるのか。
「高い目標を持つということは良いことです。ヨーロッパのコンペティションを狙える位置にいるわけですし、そこは狙っていかないといけないと、僕は思います。そういう高い志を持ちながら戦うことは絶対に必要。だけど、一戦一戦、コツコツと戦うことが、このチームにとって大事なこと。調子に乗ることなくやらないといけません」
「前の2シーズンに比べて、みんなの球離れが良い。1年目だったらコイタ、去年だったらベルタッチーニといった、一人で剥がしてシュートみたいなスペシャルな選手が今季はいませんが、その分、球離れが早く、周りを使って攻めるのが得意な選手が多い。僕もそういう面ではやりやすさがある」
――ベルギーの中で異質のチームになりました。
「そうですね。(ベルギーは)ウイングがどんどん仕掛けて、行けるのか、取られるのかと、いつも五分五分の勝負をする選手ばかりですけれど、このチームはそういう単騎突破みたいなタイプがいないので、異質かなと思います」
クラブ・ブルージュに3-2で競り勝ったSTVVは堂々2位になった。昨季は最終節でようやく1部残留を、しかも奇跡のような形で決めた小クラブが、7位のヘンク、8位のヘントに勝点10差をつけて、プレーオフ1出場圏の6位内にいるのである。STVV3季目の山本に「シーズン前に今のSTVVの姿を想像できたか?」と訊いた。
「想像できなかったです。ロッカールームで『チャンピオンズリーグ!』『ヨーロッパリーグ!』なんて言葉が出てますが、今までそんな単語、出てこなかった(笑)」
ロッカールームから飛び出すマジカルワード「プレーオフ1」、そして「チャンピオンズリーグ」。このことを主将として谷口はどう受け止めるのか。
「高い目標を持つということは良いことです。ヨーロッパのコンペティションを狙える位置にいるわけですし、そこは狙っていかないといけないと、僕は思います。そういう高い志を持ちながら戦うことは絶対に必要。だけど、一戦一戦、コツコツと戦うことが、このチームにとって大事なこと。調子に乗ることなくやらないといけません」




















定価:980円(税込)
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