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【連載】小宮良之の『日本サッカー兵法書』其の八十二「五輪代表がなすべきは“我慢”ではなく“機先を制する戦い”」

カテゴリ:連載・コラム

小宮良之

2016年08月03日

「辛抱して勝つ」以外の戦いを選ぶことはない、というより…。

個人の力で日本DF陣を切り裂いたガブリエウ。日本の「我慢」は、彼からはやはり「無抵抗」に映ったのだろうか。 写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

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 アジアのライバルたちとは違い、強豪国は個でも陣形を崩せる力を持っている。彼らは「我慢」を「無抵抗」と見る。
 
 ブラジルのFWガブリエウ・バルボーサは中盤でドリブルを始めると、遠藤航、原川力のボランチが割れた瞬間を一気に切り裂き、ケアに行った塩谷司を置き去りにしてゴールを決めてしまった。
 
 ブラジル戦で問題とすべきは、前半で2失点した後、日本がほとんど反撃の気配を見せていない点だろう。0-2のままで終了して傷を広げなかった、という声もあるが、ブラジルは後半になると完全にペースを落としていた。
 
 日本としては、「良い経験ができた敗戦」と取り繕うが、“さらし首”に近かったのである。
 
 中村航輔、大島僚太は個で全体を駆動させられる力はあるが、五輪本大会の戦局は苦しい。機先を制する戦いをしなければ、八方塞がりに陥るだろう。
 
 もっとも、今の五輪代表は「チームワークで辛抱して勝つ」ということに慣れ切っている。それ以外の戦いを選ぶことはない、というより、できないだろう。
 
 初戦のナイジェリアは、チームとしてのまとまりはないに等しい。日本は、その虚を突くことがあれば、勝機が見出せるだろう。そこで、彼らがすがることになるのは……結局のところ「我慢」ということになるのか。
 
文:小宮 良之
 
【著者プロフィール】
小宮 良之(こみや・よしゆき)/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。2001年にバルセロナへ渡りジャーナリストに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写する。『おれは最後に笑う』(東邦出版)など多数の書籍を出版しており、2016年2月にはヘスス・スアレス氏との共著『「戦術」への挑戦状 フットボールなで斬り論』(東邦出版)を上梓した。
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