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「今も笑い話としてイジられてます」STVV山本理仁が昨季最終盤の“大失態”から得たひとつの学び。ベルギー3年目の飛躍へ「いくらキツイ状況でも前に出る!」【現地発】

カテゴリ:海外日本人

中田徹

2025年07月30日

「去年より確実にいいチームになってると思う」

パリ五輪ではSTVVで共に闘う小久保(右)と存在を誇示。だが昨シーズンは悔しさが先行する一年となった。(C)Getty Images

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 後半に入ると、山本の伊藤へのマークがより厳しくなる。

 48分、ヘントが一気呵成にSTVVのペナルティエリアの中に攻め込んだ。山本はヘントの選手のシュートに鋭く詰めたあと、休む間もなく伊藤の足下に飛び込んでいきシュートをブロック。この一連のプレーで守備のリズムを掴んだのか、後半の山本はシュートブロック、ゴール前のクリア、中盤のデュエルなど、ディフェンス面での貢献度を高めていった。

 64分、STVV陣内での伊藤へのパスを、鋭いアプローチで山本がインターセプトしたところで、タイプの異なるふたりの日本人MFのマッチアップは終わり。伊藤は仲間の選手交代に伴い、ポジションを右寄りに移した。それから間もない76分、山本がピッチを去った。

 STVVの背番号6は後半のパフォーマンスを以下のように振り返った。

「前に行く量も多かったし、競り合うボールも多かった。『これぞベルギー』じゃないですけれど、(ボールが両チーム落ち着かない)そういう試合だったので、かなり身体的にはキツかったが、なんとか踏ん張って『行けるところまでやろう』という気持ちでした」

 後半の山本は自陣ゴール前での守備が冴えた。

「チームの決まりもありますし、まずは自分がいないといけないところにポジションを取って、『危ないな』というところを自分の中で敏感に感じ取るようにしてます」

 伊藤との白熱のマッチアップを、どう振り返るのか。

「彼が(中盤の)左側でずっとやっていて、僕は右側が多かったので、マッチアップすることが時間的には長かったですが、手応えはありました。チームとしても前半からヘントを上回っているパフォーマンスだったと思います。去年より確実にいいチームになってると思ってます」

「去年より確実に良いチームになっている」とは具体的には?

「規律をしっかり、みんなが守っているのがひとつかなと思ってます。守備でサボらないですし。去年は5バックでやってましたけれど、今は4バックで、枚数は足りないですけれど、みんながしっかり他の人をカバーするのが徹底されている。そういうことができる点では去年より、今年はいいチームなのかなと思います」
 
 今から1年前、パリオリンピックで2ゴールを決めるなど日本五輪代表の一員として活躍した山本は、昨季開幕からレギュラーの座を掴んだが、シーズンを通じて振り返ると途中出場が多く、試合に絡めない日もあった。

 プレーオフ3で首位の座を争ったセルクル・ブルージュとの一戦では山本が34分、36分と立て続けにイエローカードをもらって退場となり、チームは1-3で敗れただけでなく、1部残留に向けて窮地に立たされることになった。山本が退場した瞬間、試合の流れも鑑みて私は正直、「(STVVの1部残留は)終わった」と思った。

「僕も『終わった』と思いました。レッドじゃないにしても、1枚もらっていたので、(ファウルを)やった瞬間に退場だと思いました。あれで2部に落ちたら洒落にならなかった。僕の出場停止のとき(ベールスホット戦/2-1)も、みんなのおかげで勝ちましたし、最終節(コルトレイク戦/2-2)もぎりぎりでしたけれど、なんとか残ったので、今も笑い話としてイジられてます。時間帯、シチュエーション、自分が持ってるカードというのを考えながらプレーすること。そこはひとつ学んだと思います」

 立石CEOは今季の日本人選手を紹介するなかで、「昨年、彼(山本)にとっても悔しいシーズンになったと思います。ただ今シーズン、キャンプでポジションを掴みつつあるので、このまま自信を持ってやってもらいたいです」と、山本のリベンジに期待していた。立石氏の言葉を伝え聞いた山本は言う。
 
「去年、悔しい思いをする時間が長かったので、試合に出たときには『持てる力を全部出そう』というのを心がけてやってます。涼太郎くんや去年のジョエルとは(MF、ボランチとして)タイプが違うと思うので、自分なりの良さを出そうと心がけてやってます」
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