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「長かったですね」悲願のベルギーリーグ制覇を果たした町田浩樹が赤裸々に明かす“3年半の葛藤と苦悩”。「スーパースターはいない。それでも…」【現地発】

カテゴリ:海外日本人

中田徹

2025年05月26日

EL敗退直後の敵地で、ポコニョーリ監督は町田をグッと抱きしめた

ELはプレーオフで善戦虚しく敗退。今季もまた、一年を通して貴重な経験の連続だった。(C)Getty Images

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 良いCBとGKはストライカーが作る。逆も然り。良いストライカーはCBとGKが作る。彼らとの日々の練習で、町田の守備スキルも上がっていったはずだ。今季序盤戦、町田はこんなことを語っていた。

「ヨーロッパに来てサラー(リバプール)とかとやって、それはもちろんすごかったんですけど、僕の中ではやっぱりビクター・ボニフェイス、ウンダブはけっこう抜けてたなと思ってます。彼らはやっぱりユニオンにいた時からえぐかったし、今は『そりゃあブンデスリーガでも点を取るわな』と思ってます。(町田選手も日々、彼らと切磋琢磨し磨かれたのでは?)それはあると思いますね」

 GKアンソニー・モリスは今季、20回のクリーンシートを達成し、川島永嗣(現ジュビロ磐田)がスタンダール時代の2013-14シーズンに作ったリーグ記録に並んだが、当時スタンダールのサブGKがモリスだった。そんな個人史には感慨深いものがあるが、プレーオフ10試合で3失点という鉄壁の守りを支えたのは、チームとしての守備意識の高さだった。ヘント戦では町田がファンゼイルに抜かれかけた場面もあったが、左ウイングバックのニアングが抜群のカバーでピンチを未然に防いだ。

「チームとして本当に守備意識が高い。そこが優勝できた要因だと思います。プレーオフに入ってから3失点しかしてない。キーパーや3バックの能力もありましたけれど、チーム全体の成果だと思います」
 
 ユニオンでの2季目、グロインペインによって町田は半年に渡って離脱する苦しい時期を過ごした。

「怪我している時はキツかったですね。何をするにも本当にうまくいかずというか...。手術を考えた時期もありました。その中で自分がやるべきことに集中した。昨季はベルギーカップで優勝し、今季はベルギーリーグを制覇でき、報われた気持ちでいっぱいです」

 手術を思いとどまらせたのは、鈴木優磨(当時シント=トロイデン、現鹿島アントラーズ)の個人フィジオを務める桑原秀和氏だった。ベルギーに来て早々、怪我に悩む鹿島の元チームメイトを気に懸けた鈴木は「ヒデさん、町田のことも見てくれないかな」と桑原氏に依頼した。手術を考えていた町田に対し、「手術をせず日本に帰って集中して治療したほうが良いよ」とアドバイス。町田はユニオンの許可をもらって日本に戻って集中治療し、完全復帰することができた。

「今もちょくちょくヒデさんに見てもらってます。僕だけでなく、いろいろな選手を支えている方で、怪我から戻ってくることができました。今シーズン、苦しいときには監督とたくさんコミュニケーションを取ったり、たくさんの方に支えてもらえました。結果で恩返しできて良かったです」

 セバスチャン・ポコニョーリ監督から、例えばどんな言葉をかけられたのだろうか?

「『今シーズン、パフォーマンスが良くないけれど、自信を持ってやってほしい』と言ってもらってました。監督自身、代表経験のある選手で、左利きのDF(左SB)でした。たくさんコミュニケーションを取ってくれる監督で良かったと思います。苦しい時期もありましたが、こういう結果で報われて良かったです」

 レギュラー落ちした時期もあった今季、それでもポコニョーリ監督が町田にかけた期待は大きかった。2月21日、ヨーロッパリーグのプレーオフ、ユニオンは敵地ヨハン・クライフ・アレーナでアヤックスを2−1で下したが、2試合合計2−3で敗れ去った。その激闘を終えた後、ポコニョーリ監督は町田のことをグッと抱きしめた。

「監督のために勝ち上がりたかった」。

 深夜のヨハン・クライフ・アレーナで町田は言った。
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