「気にしてない。僕は良くも悪くも“自分の中”でプレーしているので」
こうして手応えを掴んだ上田だったが、今季開幕時もなかなか本来の調子を発揮できなかった。しかし当時のエース、サンティアゴ・ヒメネスの負傷で得たチャンスを活かし、上田は9月22日のNAC戦で豪快ヘッドから今季初ゴールを奪う。その後の上田は4試合で3ゴールと勢いに乗ったが、その後の負傷で良い流れが途切れてしまった。それでも3月16日のトゥベンテ戦で2ゴールを決めただけでなく、ポストプレーでもハイレベルなところを披露し、ロビン・ファン・ペルシ監督からの信頼を勝ち取った。
ここに来るまで上田はサポーターや評論家から多くの批判を受けてきており、それは日本のネットニュースでも頻繁に紹介された。オランダメディアからコメントを求められると、私はかならず「上田の能力は規格外」と答えているのだが、それが記事化されると「俺は上田の規格外のプレーをまだ見たことがない」とコメントが付くのがお約束だった。
SNSでは言いたい放題投稿する彼らだが、スタジアムでは熱いチャントで上田のことを後押しし続けた。フェイエノールトのサポーターは味方に対しても厳しいことで知られており、結果を残せない選手、チームにフィットしない選手に容赦なくブーイングやため息を浴びせ、その選手がベンチに退くと皮肉交じりの拍手をする。「デ・カイプ恐怖症」という言葉が存在するくらい、サポーターの圧に耐えきれず消えていく選手は多い。
「メディアやSNSで批判に晒されていた上田だが、スタジアムでは個人チャントが起こる(フェイエノールトの応援は個人チャントが少ない)。これはユニークなこと」と私がオランダ人記者に指摘すると、「確かにそうだな。彼らも上田のポテンシャルに気付いているうえ、やっぱりハードワークする選手は大好きだからな」という返答が来た。
良いときも悪いときも支え続けてくれるフェイエノールトサポーターの力を、上田はどうとらえているのか。
「サポーターからの期待は入ったときからずっと感じてます。周りから見たら高い移籍金で入ってきたので、期待するのも当たり前です。サンティ(サンティアゴ・ヒメネス/現ミラン)がいなくなって次は(自分のことを)期待せざるを得ない立場になったというのももちろん分かってます。期待に応えられないぶん、(サポーターに)ストレスが溜まっているのも薄々感じたりするけれど、別に僕は良くも悪くも“自分の中”でプレーしているので、そこはあんまり気になっていないと言えば気になってない。
ただ、自分が良い流れじゃないというのも分かってプレーしていた。(サポーターのストレスを気にしてないと言いつつも)それでも僕のチャントとか、サポーターの声は届いている。うまくいってないときには、いくら『“自分の中”でプレーし続けている』といっても、そういう声はやっぱり力になりますよね」
ここに来るまで上田はサポーターや評論家から多くの批判を受けてきており、それは日本のネットニュースでも頻繁に紹介された。オランダメディアからコメントを求められると、私はかならず「上田の能力は規格外」と答えているのだが、それが記事化されると「俺は上田の規格外のプレーをまだ見たことがない」とコメントが付くのがお約束だった。
SNSでは言いたい放題投稿する彼らだが、スタジアムでは熱いチャントで上田のことを後押しし続けた。フェイエノールトのサポーターは味方に対しても厳しいことで知られており、結果を残せない選手、チームにフィットしない選手に容赦なくブーイングやため息を浴びせ、その選手がベンチに退くと皮肉交じりの拍手をする。「デ・カイプ恐怖症」という言葉が存在するくらい、サポーターの圧に耐えきれず消えていく選手は多い。
「メディアやSNSで批判に晒されていた上田だが、スタジアムでは個人チャントが起こる(フェイエノールトの応援は個人チャントが少ない)。これはユニークなこと」と私がオランダ人記者に指摘すると、「確かにそうだな。彼らも上田のポテンシャルに気付いているうえ、やっぱりハードワークする選手は大好きだからな」という返答が来た。
良いときも悪いときも支え続けてくれるフェイエノールトサポーターの力を、上田はどうとらえているのか。
「サポーターからの期待は入ったときからずっと感じてます。周りから見たら高い移籍金で入ってきたので、期待するのも当たり前です。サンティ(サンティアゴ・ヒメネス/現ミラン)がいなくなって次は(自分のことを)期待せざるを得ない立場になったというのももちろん分かってます。期待に応えられないぶん、(サポーターに)ストレスが溜まっているのも薄々感じたりするけれど、別に僕は良くも悪くも“自分の中”でプレーしているので、そこはあんまり気になっていないと言えば気になってない。
ただ、自分が良い流れじゃないというのも分かってプレーしていた。(サポーターのストレスを気にしてないと言いつつも)それでも僕のチャントとか、サポーターの声は届いている。うまくいってないときには、いくら『“自分の中”でプレーし続けている』といっても、そういう声はやっぱり力になりますよね」
――オランダ人のふたりの記者に「なぜサポーターは『デ・カイプ恐怖症』につながるような圧を上田にかけないのか?」と訊くと、「確かにサポーターは、上田にはそういうプレッシャーをかけないな。彼はハードワークをするから、そういうところが受け入れられているんじゃないか」と言っていました。
「日本人は勤勉なんでそういうところも求められているんでしょうね。ベルギーでもオランダでも日本人がそういうリスペクトを受けているのを自然と感じますし、日本人としてそのリスペクトに応えないといけないというのもあります。
ずっと前の取材で『枠を超えて、日本人とかアジアとか、そういう範囲の外で活躍したい』と言ったことがありますが、日本人らしさも持ってプレーしたい。僕は日本では日本人らしくないのかもしれませんが、もしかしたら僕のこの考え方自体が日本人っぽいのかもしれない。僕には分からないですけれど」
「日本人は勤勉なんでそういうところも求められているんでしょうね。ベルギーでもオランダでも日本人がそういうリスペクトを受けているのを自然と感じますし、日本人としてそのリスペクトに応えないといけないというのもあります。
ずっと前の取材で『枠を超えて、日本人とかアジアとか、そういう範囲の外で活躍したい』と言ったことがありますが、日本人らしさも持ってプレーしたい。僕は日本では日本人らしくないのかもしれませんが、もしかしたら僕のこの考え方自体が日本人っぽいのかもしれない。僕には分からないですけれど」