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「フィジカルがエグいな」オランダの超ベテラン記者を唸らせる上田綺世。ファン・ペルシ監督は前任者から念を押されていた「お前が心配しなくても彼は大丈夫だ」【現地発】

カテゴリ:海外日本人

中田徹

2025年04月07日

「フェイエノールトに来た1年半前の自分と今の自分とでは雲泥の差がある」

ファン・ペルシ監督の信頼を掴んだ上田。シーズン最終盤の爆発に期待がかかる。(C)Getty Images

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 3月からフェイエノールトの指揮を振るロビン・ファン・ペルシがチームに新しい風を吹き込んでいる。初陣となったNEC戦(3月1日)はスコアレスドローに終わったが、26節のトゥベンテ戦(3月16日)の6-2を皮切りに、ゴー・アヘッド・イーグルス戦(3月30日)を3-2、フローニンゲン戦(4月2日)を4-1とゴールラッシュが続いた。4月5日、強敵AZとのアウェーゲームでは、ロングボールを多用した相手のゲームプランに苦しんだものの、しっかり1-0で競り勝った。

 この1か月余り、負傷に悩まされる時期もあったが、上田綺世はファン・ペルシ監督の信頼を掴んでいる。そのきっかけはトゥベンテ戦。10分、右からのクロスをヘッドで合わせて先制点をもたらした上田は、23分にもゴールを決めてチームを3-0の大量リードに導いた。ポストプレーでも存在感を発揮した背番号9に、ファン・ペルシ監督は「上田はストライカーとして必要な資質をすべて備えている」と記者会見の場で賛辞を贈った。

 日本代表がワールドカップ出場を決めたバーレーン戦(3月20日/2-0)で86分間プレーした上田は、負傷によりサウジアラビア戦(3月25日/0-0)を前に離脱。フェイエノールトに戻ってからゴー・アヘッド・イーグルス戦には間に合わなかったが、フローニンヘン戦で25分間出場すると、AZ戦でスタメンに復帰した。

 AZ戦での上田のパフォーマンスは決して良くはなかったが、それでもオランダ人を唸らせるプレーをいくつか魅せた。そのひとつが32分、パイションのクロスが、AZのオウンゴールを誘ったひとつ前のシーン。敵陣ゴール前でAZのMFジーコ・ブールメースターの横パスをカットした上田は、強靭なフィジカルを活かしてボールをキープ。ミスをリカバリーしようとブールメースターは必死にチャージしてきたが、それをいなした上田はパイションに冷静にボールをつないだ。その姿を見たオランダの超ベテラン記者は「上田は実にいいストライカーだ。彼のフィジカルはエグいな」と私に語りかけてきた。
 
 トゥベンテ戦のように“ゴール”という明確な結果を残したり、バーレーン戦のように中盤に降りて、前方へ走る味方に縦パスを通して先制ゴールを仕込んだりと、上田はプレーの幅を広げている。特にフローニンヘン戦ではボールタッチの数こそ少なかったが、一つひとつのプレーのクオリティーが実に高く、最前線で敵のCBに身体を預けながらポストプレーをしたり、中盤に降りてトラップから反転して矢のようなサイドチェンジのパスを送ったり、自陣で反則気味のタックルに倒れることなく粘り強く前進してカウンターの起点になったりした。それはまさに、フェイエノールトで取り組んできたことの大全集のようだった。

 AZ戦直後、本人に「トゥベンテ戦を皮切りに、日本代表、フローニンヘン戦、そしてAZ戦でのゴールの起点――と、ここしばらくのパフォーマンスはフェイエノールトでやってきたことを如実に表せているのでは?」と訊いてみた。

「いつも話すように1年半前、フェイエノールトに来たときの自分と、今の自分を比べてみると雲泥の差があると思う。この1年半で間違いなく成長できている実感があります。今はそれを出せているタイミング。もちろん、たまたまうまくいっている場面もあります。それは代表でもそう。この1年半、プレーヤーとしての幅が広がるようにやってきた。少しずつ、それを実感できています」
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