中島翔哉がリハビリ中に恩師へ語ったブレない情熱。「俺、オリンピックに行きますよ」

カテゴリ:日本代表

小田智史(サッカーダイジェスト)

2016年07月01日

“原点回帰”のきっかけは富山にあり。

14年に期限付き移籍で富山へ。チームを指揮していた安間監督が、中島に「仕掛けるスタイル」を取り戻させた。 (C)J.LEAGUE PHOTOS

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 その後、14年に期限付き移籍で富山に来てくれたのですが、久々に翔哉を見たら、身体が全部外に向いてしまっていて、自分から前に持ち出そうという彼の良さが薄まっていました。おそらく、パスで(ゲームを)組み立てないと試合に出られない背景もあったのでしょう。富山はプロビンチャで個に秀でたタレントが豊富なわけではありませんでしたから、「どんどん仕掛けていってほしい」と話をしました。
 
 自分の良さを出そうと、とにかく仕掛けることを最優先で勝負をしてくれました。もちろん、上手くいく時も上手くいかない時もありましたが、当時の富山はそれぞれのキャラクターを大事にすると同時に、昔から在籍してきた選手が輪を大事にしていた。そういった環境がトライする姿勢を支えていたというか、やりやすかったはずです。振り返れば、翔哉にとっては富山への移籍がひとつの転機だったと思います。
 
 15年からは、FC東京でコーチと選手の関係になりましたが、端から見ていて、普段の練習からより質の高い選手とやれているので、翔哉の欲しいタイミングでボールが出て来ることが増えましたね。しかも、良い質と良い質を組み合わせれば、自然と“ユーモア”が生まれる。彼の言う「楽しむ」感覚がまた味わえているのは大きいです。
 
 東京には(東)慶悟、梶山(陽平)とオリンピック過去2大会の歴代の10番がいて、簡単にはポジションを奪えません。今はレギュラーを勝ち獲るための準備をしている状況ですが、彼の良いところは、サッカーに対する情熱がブレないだけでなく、常に上を見ている。よく「安間さん、すみません。俺、J1に出るから、J3には出られません」と言っていますよ(笑)。毎回、J1の試合メンバーから外れれば悔しがるし、かと言ってふて腐れるわけでもなく、J3でもやるべきことをやります。
 
 4月に怪我(右膝内側側副靭帯損傷)をした時も、弱音を吐いたことはありませんでした。故障箇所が膝となれば、普通はリオに行けるか行けないか、気になったり不安になったりするところです。でも、「間に合います」、「オリンピック行きますよ」と、リオに行く前提で日々のリハビリに精を出していました。一歩間違えれば、慢心と捉えられてしまうのかもしれません。でも、決してそうではなく、実際に最終メンバー入りを果たしているので、自分を信じて疑わないことがどれだけ大事か分かって頂けるのではないでしょうか。

右膝靭帯損傷で約1か月半戦線を離脱した際も、リオに行く前提で日々のリハビリに精を出していたという。 写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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