しかし、もちろん心中穏やかではないだろう。レアル・マドリーでは５年連続で年間50ゴール、15-16シーズンは48試合で51得点を挙げている当代屈指のスコアラーが、２試合連続ノーゴールなのだ。試合後にはこう語った。
 
「最多出場記録の更新を誇りに思う。得点記録更新に続く大きな目標だった。しかし、やはり悲しい。勝ちたかったよ。こんな結果は想定していなかった。たくさんのチャンスを作ったが、良い結果を残せなかった。ペナルティーキックを含めて、僕はいくつかのチャンスを逃した。しかし、これもサッカーの一部だ」
 
　２試合を終えて勝点２のポルトガルは、グループFの３位。３位の中で成績上位の４か国もベスト16に進出できるが、他のグループの結果にも左右されるので不透明。２位以内に入って決勝トーナメント進出を確定させるのは、６月22日のハンガリー戦で勝利が必須になる。
 
「ハンガリー戦に勝てば、ポルトガルはまだ勝ち進める。選手たちはそれを信じているし、全力を尽くす。この２試合で大声援を送ってくれているサポーターも同じ想いだと思う。悪いことは永遠には続かない。物事が良い方向に向かうと信じる必要がある」
 
　オーストリア戦のC・ロナウドのコンディションは、アイスランド戦よりも確実に上向いていた。ハンガリー戦で求められるのは、言うまでもなくゴールだ。大会ナンバーワンのスターが、正念場を迎える。
 
現地取材・文：白鳥大知（サッカーダイジェスト特派）