【中村憲剛の欧州サッカー観戦記】CL決勝でシメオネとジダンの見事な采配に興奮!

カテゴリ:ワールド

中村憲剛

2016年06月07日

功を奏したシメオネの“施策”。

グリエーズマンがPKを外してしまったが、テンポの良い攻撃を続けたアトレティコは、79分にカラスコが同点弾を叩き込む。 (C) Getty Images

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 前半を見て僕は“このままだとアトレティコは難しいかな”と思ったんですが、後半頭からアウグスト・フェルナンデスを下げてヤニック・カラスコを入れ、システムを4-4-2から4-3-3に変更し、流れを引き戻したディエゴ・シメオネの手腕は見事でしたね。
 
 この施策によってアトレティコはインサイドハーフ2枚が意図的にカゼミーロの横を使い、効果的に攻められるようになりました。
 
 マドリーが相手のシステム変更に戸惑っていた後半開始早々に、アトレティコはPKを取りました。言うまでもなくビッグチャンスでしたが、アントワーヌ・グリーズマンは外してしまいましたね。準決勝ではあのマヌエル・ノイアー(バイエルン)との1対1を制した男がPKをミスするんですから、やはりCL決勝のプレッシャーは計り知れないなと感じました。
 
 ただ、その後もアトレティコはすごく良いリズムで攻めて、79分に生まれた同点弾は素晴らしかったです。サイドを完全に崩して、中央の味方に合わせるというフロンターレでも手本にしたい素晴らしい崩しでしたね。
 
 でも、カラスコの同点弾の直後にシメオネは4-4-2にシステムをまた変更したんです。4-1-4-1が機能していたのにもかかわらず。ここが分岐点だったかなと思います。
 
 確かにアンカーに回ったガビが、カゼミーロと同様に自分の両脇に生まれる空きスペースのカバーに追われ、同点になる前から2失点目を喫するところでした。それくらい消耗していたのでケアしたくなるのも理解できます。でも、個人的には4-1-4-1のまま殴り合いの展開になって欲しかったですね。
 
 案の定、膠着状態のまま、PK戦に入ったわけですが、アトレティコの4人目のキッカー、ファンフランは蹴る前から外すと思いました。助走が短くて、審判が笛を吹いた直後に蹴りにいったので、なんとなく余裕がないような嫌な感じがしていたんです。
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