モウリーニョ招聘でマンUの強化は敏腕代理人の支配下に?

カテゴリ:メガクラブ

ジャンルカ・ディ・マルツィオ

2016年05月27日

メンデスは監督だけでなく強化部門責任者も送り込もうとしている。

メンデスはモウリーニョのみならず、C・ロナウドやハメスなど多くのビッグネームを顧客に抱える世界随一のスーパー代理人。ユナイテッドの補強戦略は今後、彼が仕切ることになりそうだ。(C)Getty Images

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 ある時点で情報がマスコミに漏れて、来シーズンの監督就任が既成事実化してからは、モウリーニョもヨーロッパ各地のスタジアムに片腕のルイ・ファリアを伴って姿を見せ、獲得すべき新戦力候補の品定めに入っていた。
 
 ちなみに、今夏の移籍マーケットに向けて、メンデスはモウリーニョだけでなく、クラブの強化部門にも自らのパートナーを送り込もうと考えている。その筆頭候補が、現在アトレティコ・マドリーでテクニカルディレクターを務める、イタリア人のアンドレア・ベルタだ。
 
 サー・アレックス・ファーガソンの引退以降、ユナイテッドはクラブのトップ・エグゼクティブが直接監督と繋がって、移籍市場でのオペレーションに携わってきた。
 
 しかし、2013年から執行副会長の座にあるウッドワードは、クラブ経営のエキスパートではあってもサッカーの現場では素人であり、選手評価眼、交渉の手腕などリクルーティングに不可欠な能力は高いとは言えなかった。監督の意見や代理人の思惑に振り回されて、一貫した強化戦略が持てなかったのはそのためで、成績不振を招いた原因の一端がそこにあるのは明らかだ。
 
 それゆえメンデスは、自らの息がかかったエキスパートをウッドワードの片腕として送り込むことで、ユナイテッドの移籍オペレーションの質の向上に手を差し伸べると同時に、自らの影響力の下に取り込もうと考えている。
 
 かねてから親密な関係にあるメンデスからユナイテッド行きのオファーを受けたベルタは、現在のマドリードでの生活と仕事に満足していることもあり、まだ決断を下していない。しかし、ベルタが首を縦に振れば、ユナイテッドの移籍マーケットは、完全にメンデスの影響下に収まることになるだろう。
 
 いずれにしても、モウリーニョとメンデスの関係は極めて緊密。ベルタの決断にかかわらず、これからのユナイテッドの補強戦略が、彼らのイニシアチブの下に進むのは間違いない。
 
文:ジャンルカ・ディ・マルツィオ
翻訳:片野道郎
 
※ワールドサッカーダイジェスト2016.06.02号より加筆・修正。
 
【著者プロフィール】
Gianluca DI MARZIO(ジャンルカ・ディ・マルツィオ)/1974年3月28日、ナポリ近郊の町に生まれる。パドバ大学在学中の94年に地元のTV局でキャリアをスタートし、2004年から『スカイ・イタリア』に所属する。元プロ監督で現コメンテーターの父ジャンニを通して得た人脈を活かして幅広いネットワークを築き、「移籍マーケットの専門記者」という独自のフィールドを開拓。この分野ではイタリアの第一人者で、2013年1月にグアルディオラのバイエルン入りをスクープしてからは、他の欧州諸国でも注目を集めている。
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