いずれもこれから具体的な移籍交渉に発展しそうな気配だ。
アザールは、今シーズン半ばまでのパフォーマンスや振る舞いに強い不満を持ったチェルシー・オーナーのロマン・アブラモビッチが、すでに春先の時点で片腕のマリーナ・グラノフスカヤに売却先を探すよう指示を出しており、来シーズンの構想から外されている。終盤戦になって調子が上向き、アブラモビッチの気分が変わらないとも限らないが、少なくとも今のところそういう話は私のところに入ってきていない。
売却先として最も可能性があるのはパリ・サンジェルマン。ズラタン・イブラヒモビッチの退団によってエディンソン・カバーニとの共存を考えなくていい来シーズンは、両サイドに純粋なドリブラーを起用できる可能性が生まれる。アザールはそこに打ってつけ。右からアンヘル・ディ・マリア、カバーニ、アザールという3トップは、たしかに魅力的だ。
ただ、チェルシーは1億ユーロ(約125億円)という、おいそれとは払えない値札をつけている。よって、本人と相思相愛のジネディーヌ・ジダンが指揮を執るレアル・マドリー、前チェルシー監督でアザールをいまだに買っているジョゼ・モウリーニョを新指揮官に迎える見込みのマンチェスター・ユナイテッドを含めて、他に手を出そうというクラブは現時点で現われていない。
一方のパリSGにしても、まだ具体的な動きがあるわけではなく、あくまで構想レベルだ。これからの動きに注目が集まる。
ハメスについては、99%移籍が確実だ。今シーズンは満足な出場機会が得られず、とりわけジダンが監督になった年明け以降はチーム内での位置づけが明らかに低下した事情もあって、本人は不満を溜め込んでいる。
それを受けて、代理人のジョルジュ・メンデスはすでに他クラブへのプロモーションを開始している。
売り込み先は資金力豊富なプレミアリーグのメガクラブで、マンチェスターの2チームが最有力候補だ。なかでもユナイテッドは、同じく顧客のモウリーニョの監督就任によってメンデスの影響力がさらに強まる見通しであり、妥当な選択肢と言えるだろう。
ただ、現時点ではユナイテッドと具体的な交渉に発展しているわけではなく、他クラブにも割り込む余地はある。ジョゼップ・グアルディオラ新監督の下でハメスに適したポゼッションサッカーを導入する見込みのシティ、そしてアザールと共にハメスをウイングの新戦力候補に挙げているパリSGにも、まだまだチャンスはある。
文:ジャンルカ・ディ・マルツィオ
翻訳:片野道郎
※ワールドサッカーダイジェスト2016.06.02号より加筆・修正。
【著者プロフィール】
Gianluca DI MARZIO(ジャンルカ・ディ・マルツィオ)/1974年3月28日、ナポリ近郊の町に生まれる。パドバ大学在学中の94年に地元のTV局でキャリアをスタートし、2004年から『スカイ・イタリア』に所属する。元プロ監督で現コメンテーターの父ジャンニを通して得た人脈を活かして幅広いネットワークを築き、「移籍マーケットの専門記者」という独自のフィールドを開拓。この分野ではイタリアの第一人者で、2013年1月にグアルディオラのバイエルン入りをスクープしてからは、他の欧州諸国でも注目を集めている。

好評発売中の『ワールドサッカーダイジェスト』最新号の特集は、「2016年夏の移籍バイブル」。ディ・マルツィオ氏の主役候補動向レポート&去就予測をはじめ、リーグ別の移籍マーケット見どころ、メガクラブの刷新概況、メルカート注目タレントの名鑑など、今夏の移籍マーケットを完全予習できる一冊に仕上がっている。
-
2026年6月号
5月9日(土)発売 [注目クラブを総力特集]
伝統を受け継ぎ新たな歴史を
東京ヴェルディ 2026 徹底読本
-
2026年5月21日号
5月7日(木)発売 [WSD恒例企画]
2025ー2026シーズンのBEST PLAYER
元代表選手、現役指導者、現地ジャーナリストが大討論
候補者50人の中からベストプレーヤーを選出
-
第104回大会 決戦速報号
1月16日発売 高校サッカーダイジェストvol.44
ワールドサッカーダイジェスト2026年2月19日号増刊
第104回全国高校サッカー選手権大会 決戦速報号
[MATCH REPORT]
1回戦から決勝まで全47試合を完全詳報
[HEROES FILE]
第104回大会を彩った”48名の逸材”を厳選





















定価:980円(税込)
定価:890円(税込)
定価:1100円(税込)