【セリエA総括】「サプライズ」だらけの15-16シーズンを振り返る

カテゴリ:連載・コラム

片野道郎

2016年05月20日

ストップ・ザ・ユーベの本命は急激なスランプに陥った。

監督交代で息を吹き返したローマ。冬に加入したエル・シャーラウィ(左)とペロッティ(中)がすぐにフィットしたのも復調の要因のひとつ。(C)Getty Images

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 ローマは最初の2か月こそ順調に勝ち点を積み重ねて首位戦線をリードしたものの、11月半ばを過ぎると、CLのバルセロナ戦で1-6の惨敗を喫したのをきっかけに急激なスランプに陥った。
 
 過去2シーズン続けて2位となり、3年目の今シーズンこそ悲願のスクデットを、という期待と重圧を一身に背負ったリュディ・ガルシア監督は、マスコミやサポーターのプレッシャーに追いつめられてコントロールを失い、首位から7ポイント差の5位まで順位を下げて前半戦を折り返したところで解任の憂き目に遭う。
 
 ローマの幸運は、後任にかつて足かけ5シーズンに渡ってチームの指揮を執り、クラブの内情からマスコミやサポーターの気質まですべてを知り尽くしたルチアーノ・スパレッティを後任監督に迎えるという巡り合わせに恵まれたことだった。
 
 スパレッティ就任直後の2試合こそ、ダニエレ・デ・ロッシをCB、ピャニッチをボランチとして起用するといった試行錯誤で足踏みしたものの、一旦4-3-3にチームの基本形を見出してからは、連勝を続けるユベントスとほぼ変わらぬペースで勝点を積み重ねる。2位ナポリにあと一歩届かなかったものの3位の座を確保し、過去2シーズンに続くCL出場権を獲得した。
 
 首位戦線で混戦状態が続いたのは、年明けまでだ。ユベントスが10月31日に行なわれた11節のトリノ・ダービーをロスタイムの決勝弾で制したのをきっかけに、そこから15連勝、引き分けひとつを挟んでさらに10連勝と、圧倒的な強さを発揮し始めたその一方で、ローマ、フィオレンティーナ、インテルはそれぞれの理由で失速し、ナポリだけが踏ん張る首位戦線から次々と脱落していく。
 
 そして2月13日の25節、本拠地ユベントス・スタジアムでの直接対決でナポリを1-0で制し、ついに首位に立ったユーべは、その後一度たりともその座を譲らずに、最後にはナポリに9ポイント差をつける独走でスクデット5連覇を成し遂げたのだった。
 
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