昨日と同じプレーが今日できるわけではないからこそ、今のプレーに全力を出し切る
A-pfeile(アフィーレ)広島AFCは、今大会で公式戦初勝利を挙げたチームだ。結成から3年、1点ビハインドからの逆転勝利だった。今回、その勝利の輪に加われなかった選手が一人いた。両足を事故で失い、右足に義足をつけてプレーする片岡勇人選手である。
「右足の手術痕が開いて。今回は大事を取って出場登録をせず、日本選手権に出ようと思いまして。でも、見ていたら出たくなってきちゃって。左足で出られるかな、と思ったりもしたんですが、登録してなかったんで…」と初勝利を少しほろ苦い思いで見つめることになった。
アンプティサッカーは、病気や事故で手足を失った人がプレーしていることから、今回の片岡選手のように、プレーできなくなることがある。昨年のレオピン杯には九州の3選手が持病を悪化させ、大会に出ることができなかった。
昨日と同じプレーが今日できるわけではない…という難しさを同時に抱えているからこそ、今のプレーに自分たちの力を精一杯出し切り、それをみんなで喜ぶという雰囲気がアンプティサッカーにはある。今回、選手やスタッフ誰もが広島の初勝利を我が事のように喜んでいたのも、アンプティサッカーファミリーと呼べるような雰囲気が、この競技にはあるからだと感じている。
それは、昨年まで選手としてプレーした濱田正人さんとの再会でも実感させられたことだった。彼は、両腕を切断した異色のGKだった。日常生活では、筋力が発する微弱な電気を感知する特殊な義手を装着している。
「サッカーをしすぎて、手がしびれてきたんですよね。それが肩にもきて。キーパーなんで、切断面でセービングすることもよくあるんです。ケガはつきものですし、常にリスクはあります。アンプティは選手誰もが我慢をして戦ってる部分がある。でも生活にも影響が出てきて、周りに迷惑をかけるんは嫌やったんでこれは引退せなあかんなと。でもサッカーは楽しめますし、応援する側にまわろうと、今回はスタッフとして参加しています。それが僕がアンプティサッカーにできることやと思いましたし、今まで支えてくれたスタッフへの感謝の気持ちもあって」と、濱田さんは笑顔でそう語った。
「右足の手術痕が開いて。今回は大事を取って出場登録をせず、日本選手権に出ようと思いまして。でも、見ていたら出たくなってきちゃって。左足で出られるかな、と思ったりもしたんですが、登録してなかったんで…」と初勝利を少しほろ苦い思いで見つめることになった。
アンプティサッカーは、病気や事故で手足を失った人がプレーしていることから、今回の片岡選手のように、プレーできなくなることがある。昨年のレオピン杯には九州の3選手が持病を悪化させ、大会に出ることができなかった。
昨日と同じプレーが今日できるわけではない…という難しさを同時に抱えているからこそ、今のプレーに自分たちの力を精一杯出し切り、それをみんなで喜ぶという雰囲気がアンプティサッカーにはある。今回、選手やスタッフ誰もが広島の初勝利を我が事のように喜んでいたのも、アンプティサッカーファミリーと呼べるような雰囲気が、この競技にはあるからだと感じている。
それは、昨年まで選手としてプレーした濱田正人さんとの再会でも実感させられたことだった。彼は、両腕を切断した異色のGKだった。日常生活では、筋力が発する微弱な電気を感知する特殊な義手を装着している。
「サッカーをしすぎて、手がしびれてきたんですよね。それが肩にもきて。キーパーなんで、切断面でセービングすることもよくあるんです。ケガはつきものですし、常にリスクはあります。アンプティは選手誰もが我慢をして戦ってる部分がある。でも生活にも影響が出てきて、周りに迷惑をかけるんは嫌やったんでこれは引退せなあかんなと。でもサッカーは楽しめますし、応援する側にまわろうと、今回はスタッフとして参加しています。それが僕がアンプティサッカーにできることやと思いましたし、今まで支えてくれたスタッフへの感謝の気持ちもあって」と、濱田さんは笑顔でそう語った。
大会では2日間で11試合が行なわれたのだが、試合をジャッジする審判団に、アンプティサッカー協会の前向きな姿勢がうかがえた。昨秋の日本選手権で課題となったことのひとつに、ハンドの判定があった。アンプティサッカーでは、杖でボールを扱うことはハンドとなる。ところが避けようがない至近距離からのシュートが杖に当たった場合に、そのジャッジが審判によって左右したのだ。
日本アンプティサッカー協会審判部の中出一大さんは、この課題の改善を目的に、地元で審判を務め、かつアンプティサッカーの経験者である細井正孝さんを審判として招き、各チームのスタッフからも審判経験者を募ったのである。
さらに、今までの二審制から主審にラインズマン2名の三審制に改めた。「アンプティサッカーは公式戦が春と秋にあるだけで、笛を吹く機会が少ないのが現状です。今回の変更は、ジャッジの質の向上はもちろんですが、まずは多くの審判にアンプティサッカーの試合を経験してもらい、主審へのステップとしてもらうことを目的としています」(中出さん)。
協会、審判団の大会にかける思いは、選手たちにも伝わった。「ハンドの基準が明確だったんで、プレーしやすかったですよ」と語ってくれたのは、得点王となった九州の星川誠選手である。
日本アンプティサッカー協会審判部の中出一大さんは、この課題の改善を目的に、地元で審判を務め、かつアンプティサッカーの経験者である細井正孝さんを審判として招き、各チームのスタッフからも審判経験者を募ったのである。
さらに、今までの二審制から主審にラインズマン2名の三審制に改めた。「アンプティサッカーは公式戦が春と秋にあるだけで、笛を吹く機会が少ないのが現状です。今回の変更は、ジャッジの質の向上はもちろんですが、まずは多くの審判にアンプティサッカーの試合を経験してもらい、主審へのステップとしてもらうことを目的としています」(中出さん)。
協会、審判団の大会にかける思いは、選手たちにも伝わった。「ハンドの基準が明確だったんで、プレーしやすかったですよ」と語ってくれたのは、得点王となった九州の星川誠選手である。