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【ブンデス現地コラム】熾烈を極める残留争いを展望。16位フランクフルトは調子を上げてきた長谷部がキーマンに。

カテゴリ:連載・コラム

中野吉之伴

2016年05月06日

マジョルカ合宿が「バカンス」と揶揄されたシュツットガルトは…

苦戦が続くフランクフルト。大胆なゲームメークを見せる長谷部が残留の鍵を握りそうだ。(C)Getty Images

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 16位のフランクフルトは32節のダルムシュタット戦に勝利し、希望を繋いでいる。しかし、次節はリーグ最多得点(80ゴール)を誇るドルトムントが相手。ニコ・コバチ監督は5バックの布陣で守備を固めてカウンターやセットプレーからワンチャンスをモノにするゲームプランを描いているが、勝算はかなり低いと言わざるを得ない。

 最終節の相手は同じく残留を争うブレーメン。前線からの激しいプレスが特徴で、アグレッシブな守備を志向するチームに苦戦しがちなフランクフルトとしては、相性が良い相手とは言えない。このまま16位をキープし、昇格/降格プレーオフに最後の望みを託すのが、現実的な目標かもしれない。ダルムシュタット戦で値千金の同点ゴールを挙げ、チームの中心として調子を上げてきた長谷部誠の冷静かつ大胆なゲームコントロールに活路を見出したい。

 崖っぷちに立たされているのが17位シュツットガルト。32節のブレーメンとの決戦前に3日間の合宿を行なったが、行き先は何とリゾート地として名高いスペインのマジョルカ島。案の定、「この大事な時期にバカンスか」と非難が殺到した。「チーム一丸となるため」とユルゲン・クラムニー監督は説明したものの、その効果は全く見られずブレーメンに完敗した。試合後には「それ見たことか!!」とメディアに皮肉たっぷりの記事を書かれてしまった。

 残りの2試合はやや調子を落としているマインツ、10位と不振に喘ぐヴォルフスブルクが相手とあって、完全に希望が絶たれたわけではない。懸念されるのは、バカンスと揶揄された「マジョルカ合宿」による影響だ。ひとつのミスも許されない残留争いで求められるのは強靭な精神力であり、厳しい状況といかに向き合い、そのなかでどう自分自身をコントロールするか。一度緩んだチームのたがを締め直し、再び緊張感を取り戻すのは容易な作業ではない。ここからの軌道修正は極めて困難だろう。

文:中野吉之伴

【著者プロフィール】
中野吉之伴/ドイツ・フライブルク在住の指導者。09年にドイツ・サッカー連盟公認のA級コーチングライセンス(UEFAのAレベルに相当)を取得。SCフライブルクでの実地研修を経て、現在はFCアウゲンのU-19(U-19の国内リーグ3部)でヘッドコーチを務める。77年7月27日生まれ、秋田県出身。
 
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