【回顧録】“英雄”シメオネのアトレティコでの功績を振り返る――2011-2016

カテゴリ:ワールド

サッカーダイジェストWeb編集部

2016年05月03日

宿敵レアル・マドリーを破って成し遂げた国王杯制覇!

07年から2年間、リーベルでも師弟の間柄にあったシメオネとファルカオ。アトレティコにおいても、その両者の信頼は厚く、ファルカオはシメオネの期待に応え続けた。 (C) Getty Images

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 就任からわずか5か月で、崩壊の危機にあったアトレティコに欧州タイトルをもたらしたシメオネの辣腕は、12-13シーズンにさらに極まっていった。
 
 ちなみにこの頃のチームの顔は、チェルシーとの一戦でもハットトリックを決めるなど、大エースとして君臨していたラダメル・ファルカオであった。
 
 シーズン開幕直後の8月31日に行なわれたチャンピオンズ・リーグ(CL)王者チェルシーとのスーパーカップでも、このコロンビア人ストライカーはハットトリックを決め、チームの4-1の大勝に大きく貢献していたのである。
 
 しかし同時に、エースばかりが目立つワンマンチームとも呼ばれ、それはアトレティコがさらなる上位進出する上での課題でもあった。
 
 そこでシメオネは、素行不良からラージョ・バジェカーノで武者修行を行ない、チームに復帰したばかりの巨漢FWジエゴ・コスタを2トップの一角に置き、攻撃力の上積みとファルカオへの負担軽減を狙った采配を振るう。
 
 シメオネに重宝されたことでチームに馴染んだD・コスタは、リーガで10ゴール・12アシストと好結果を残し、さらにマークが散ったファルカオも28ゴールと爆発。シメオネの人選は、見事に的中したのである。
 
 2人の大砲の活躍で勝ち星を重ねていったアトレティコは、リーガでもシーズン途中まで2位に食い込み、バルセロナを追走。最終的にレアル・マドリーにも抜かれて3位となったが、当初の目的であるCL出場権を獲得した。
 
 さらに、無類の勝負強さを見せつけたのが国王杯。8試合16得点を挙げ、ベティス、セビージャを下して決勝にまで勝ち進むと、ファイナルではマドリーを延長戦の末に2-1で撃破してみせた。
 
 実に14年間勝てなかった宿敵を下しての戴冠は、ファンの積年の想いが晴らされた瞬間であり、これにより改めてシメオネの偉大さが証明された。
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