震度計が揺れを記録した27節のノーリッジ戦。
2年前、レスターがウジョアの獲得に投じた移籍金は、その2年前にヴァーディーを獲得したときよりも、昨年の岡崎よりも高い800万ポンド(約13億6000万円)。昨シーズン、チーム最多の11 ゴールを挙げた自負も彼にはあったはずだ。35節の試合が先発6試合目という今シーズンの使われ方に、不満を抱いても不思議はなかった。
たとえば同じ南米生まれのFWで、ビブスをベンチ後列から監督が座れる前列へと放り投げたジエゴ・コスタ(チェルシー)は、スタメン落ちで腐ったケースの典型だ。
その点、ウジョアはチームの一員として尽くす姿勢を貫いてきた。得点はなかった32節のサウサンプトン戦(1-0)でも、途中出場からプレスバックでボールを奪い返すなどして、逃げ切りに貢献した姿が記憶にある。
報道によれば、レスターの地元大学がキング・パワー・スタジアム近辺に設置している震度計が、今シーズン初めて揺れを記録したのが27節のノーリッジ戦(1-0)で、ベンチを出たウジョアが試合終了間際にネットを揺らし、観客の喜びが爆発した瞬間だったという。
大地をも揺るがすエネルギーを生んだ「バックアッパー」に象徴されるチームスピリットが、レスターをまた一歩、奇跡の優勝へと近づけた。
文:山中忍
【著者プロフィール】
山中忍/1966年生まれ、青山学院大学卒。94年渡欧。イングランドのサッカー文化に魅せられ、ライター&通訳・翻訳家として、プレミアリーグとイングランド代表から下部リーグとユースまで、本場のサッカーシーンを追う。西ロンドン在住で、ファンでもあるチェルシーの事情に明るい。
たとえば同じ南米生まれのFWで、ビブスをベンチ後列から監督が座れる前列へと放り投げたジエゴ・コスタ(チェルシー)は、スタメン落ちで腐ったケースの典型だ。
その点、ウジョアはチームの一員として尽くす姿勢を貫いてきた。得点はなかった32節のサウサンプトン戦(1-0)でも、途中出場からプレスバックでボールを奪い返すなどして、逃げ切りに貢献した姿が記憶にある。
報道によれば、レスターの地元大学がキング・パワー・スタジアム近辺に設置している震度計が、今シーズン初めて揺れを記録したのが27節のノーリッジ戦(1-0)で、ベンチを出たウジョアが試合終了間際にネットを揺らし、観客の喜びが爆発した瞬間だったという。
大地をも揺るがすエネルギーを生んだ「バックアッパー」に象徴されるチームスピリットが、レスターをまた一歩、奇跡の優勝へと近づけた。
文:山中忍
【著者プロフィール】
山中忍/1966年生まれ、青山学院大学卒。94年渡欧。イングランドのサッカー文化に魅せられ、ライター&通訳・翻訳家として、プレミアリーグとイングランド代表から下部リーグとユースまで、本場のサッカーシーンを追う。西ロンドン在住で、ファンでもあるチェルシーの事情に明るい。