少なくともあと1年、その姿を堪能したかった
ジョゼップ・グアルディオラはホルヘ・バルダーノに、CL準々決勝での対戦を前にシティのスタッフが行った集中的な研究の結果、マドリーは決まったパターンのないチームだという結論に達したと告白した。
つまるところ、得体の知れないチームというわけだ。今シーズンのマドリーの試合を毎回見てきた私を含めた大半の人間は、これ以上ないほどその考え方に賛同する。マドリーには複数のマドリーがある。そしてそのいずれのバージョンにおいても、クロースはキーパーソンとして君臨し続けた。
マドリーには、素晴らしい活躍を見せた選手は他にもいる。当初は控えの立ち位置だったリュディガーとナチョは中央の守備を引き締め、その右側には、ダニエル・カルバハルが食生活を改善することで、故障癖を克服。復活を遂げるばかりか、キャリア史上最高のシーズンを送った。
ジュード・ベリンガムは序盤、出色のパフォーマンスを披露し、ヴィニシウス・ジュニオールは2か月の戦線離脱を経て、爆発的なスピードを取り戻すとともに、驚異的なレベルアップを遂げた判断力を基に、フィニッシュワークとパススキルに磨きをかけた。
ロドリゴは得点力を発揮し、アンドリー・ルニン、ルーカス・バスケス、ブラヒム・ディアス、ホセルといったバックアッパー組も出番を与えられるたびに、貴重な働きを見せた。
つまるところ、得体の知れないチームというわけだ。今シーズンのマドリーの試合を毎回見てきた私を含めた大半の人間は、これ以上ないほどその考え方に賛同する。マドリーには複数のマドリーがある。そしてそのいずれのバージョンにおいても、クロースはキーパーソンとして君臨し続けた。
マドリーには、素晴らしい活躍を見せた選手は他にもいる。当初は控えの立ち位置だったリュディガーとナチョは中央の守備を引き締め、その右側には、ダニエル・カルバハルが食生活を改善することで、故障癖を克服。復活を遂げるばかりか、キャリア史上最高のシーズンを送った。
ジュード・ベリンガムは序盤、出色のパフォーマンスを披露し、ヴィニシウス・ジュニオールは2か月の戦線離脱を経て、爆発的なスピードを取り戻すとともに、驚異的なレベルアップを遂げた判断力を基に、フィニッシュワークとパススキルに磨きをかけた。
ロドリゴは得点力を発揮し、アンドリー・ルニン、ルーカス・バスケス、ブラヒム・ディアス、ホセルといったバックアッパー組も出番を与えられるたびに、貴重な働きを見せた。
もちろん全ては、アンチェロッティのマネジメントがなければ実現しなかったことだ。彼の超一流のやり繰り術があたったからこそベンゼマの退団とその後釜の獲得の見送り、長期離脱を強いられたエデル・ミリトン、ダビド・アラバ、ティボ・クルトワも含めた怪我人の続出、次から次へと訪れた試練を乗り越えることができた。
そしてその中でも最大のヒットと言えるのが、エネルジーア方式を全面的に採用することなく、クロースを軸に据え続け、さらに必要な時にはモドリッチを、間隔を空けて起用したことだった。
サッカーには強度が不可欠だ。いつの時代もそうだったが、昨今はとりわけフィジカル重視の流れが加速している。しかしそんな時代の風潮に抗うかのように、ボールを捌き、チームメイトを従わせ、試合展開に応じてチームを正しい方向に導く戦略家は今なお唯一無二の存在であり続けている。
そして今シーズンのマドリーにおいてその選手がクロースだった。少なくともあと1年、その姿を堪能したかった。
文●アルフレッド・レラーニョ(エル・パイス紙)
翻訳●下村正幸
※『サッカーダイジェストWEB』では日本独占契約に基づいて『エル・パイス』紙のコラム・記事・インタビューを翻訳配信しています。
【記事】「マドリーに戻る」スペイン3部で武者修行のMF中井卓大、保有元に復帰と現地報道。マハダオンダは4部降格「不本意な結果」
そしてその中でも最大のヒットと言えるのが、エネルジーア方式を全面的に採用することなく、クロースを軸に据え続け、さらに必要な時にはモドリッチを、間隔を空けて起用したことだった。
サッカーには強度が不可欠だ。いつの時代もそうだったが、昨今はとりわけフィジカル重視の流れが加速している。しかしそんな時代の風潮に抗うかのように、ボールを捌き、チームメイトを従わせ、試合展開に応じてチームを正しい方向に導く戦略家は今なお唯一無二の存在であり続けている。
そして今シーズンのマドリーにおいてその選手がクロースだった。少なくともあと1年、その姿を堪能したかった。
文●アルフレッド・レラーニョ(エル・パイス紙)
翻訳●下村正幸
※『サッカーダイジェストWEB』では日本独占契約に基づいて『エル・パイス』紙のコラム・記事・インタビューを翻訳配信しています。
【記事】「マドリーに戻る」スペイン3部で武者修行のMF中井卓大、保有元に復帰と現地報道。マハダオンダは4部降格「不本意な結果」