【レスター】史上稀に見る「奇跡の戴冠」へ――。大躍進の一年を振り返る

カテゴリ:ワールド

サッカーダイジェストWeb編集部

2016年04月27日

守備の最適解が強固なブロックを形成した後半戦。

モーガン(右)とフート(左)のCBコンビは、高さと力強さを武器に相手の侵入を防ぎ続ける。課題と見られていたスピード不足も、巧みなラインコントロールで見事に補った。 (C) Getty Images

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 前半戦で驚くべき躍進を見せたレスターは、シーズン前に据えた目標の勝点40(※残留に必要な勝点と言われている)に2016年の初陣となった20節のボーンマス戦で到達。23節にストークを敗って首位に立って以降は、その座を一度も譲ることなく、ライバルとの差を着実に広げていった。
 
 徐々に優勝がちらつき始め、攻撃の柱であるヴァーディーとマハレズへのマークが厳しくなるなかで、後半戦の支えとなったのは鉄壁を誇った守備陣だ。
 
 アーセナルに2-5と大敗を喫した7節をキッカケに最終ラインを見直し、翌8節からダニー・シンプソン、ウェズ・モーガン、ロベルト・フート、クリスティアン・フクスを固定。これにより4バックは連係を深めることに成功したのだ。
 
 経験豊富なモーガンとフートがパワーを利してピンチの芽を摘めば、シンプソンとフクスは上下動を繰り返して相手のサイド攻撃を封じた。
 
 さらにダニー・ドリンクウォーターとエンゴロ・カンテのボランチコンビが危機察知能力を活かして、最終ラインを巧みにサポートしたことで、守備の安定感は日増しに高まっていった。
 
 また、この2ボランチはドリンクウォーターが正確なパスで速攻の起点となれば、カンテは縦の飛び出しでマークの厳しくなったヴァーディーの負担を軽減させるなど、攻撃においても欠かせない存在になっていく。
 
 こうして攻守が噛み合ったレスターは、29節のワトフォード戦から5試合連続のシャットアウト勝ちを収めるなど勝負強さをも際立ち、気づけば2位のトッテナムに最大で勝点10差をつけるなど、優勝カップに指をかけるところまで到達したのである。
 
 4月27日現在、トッテナムとの勝点差は7で、レスターは36節のマンチェスター・ユナイテッド戦に勝利すればプレミア制覇ということになる。クラブ創設132年目にしてトップリーグ初制覇が目前に迫っているレスター――。“奇跡”と呼ばれる快進撃は、イングランド・サッカー史上でも最大のサプライズと言っても過言ではないはずだ。
 
☆レスターのプレミアリーグ残り試合日程
36節 5月1日(日) マンチェスター・U(アウェー)
37節 5月7日(土) エバートン(ホーム)
38節 5月15日(日) チェルシー(アウェー)
※日程は変更になる可能性があります。
 
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