6節を終えて首位の場合、優勝確率「58%」。首位&無敗なら「80%」。
下記の表は、2ステージ制を採用した1993年から2004年、そして2015年と2016年の12シーズンを基にしたデータだ。6節終了時の成績に加え、順位変動として第1ステージ最終成績を見ると、いくつかの数字が浮かび上がる。シーズンによってチーム数が異なるため、単純な比較は難しいが、それでも参考データにはなるだろう。
6節を終えて首位に立つチームが、第1ステージを制したのは、12回中7回で、優勝確率は「58%」。決して低くない数字だが、高くもない。また優勝を逃した5回の内訳は、2位が1位、5位が2回、8位が2回。7節以降に調子を崩して、大きく順位を下げたシーズンも見られた。
もっとも、今季の川崎と同様の条件で絞ると事情が変わる。“無敗”というフィルターにかけると5シーズンが対象となり、そのうち優勝を飾ったのは実に4回。これが前述の優勝確率「80%」の根拠となる。唯一、無敗で優勝を逃したのが2004年の磐田だ。6戦全勝と波に乗っていたが、ラスト2節で追い抜かれて2位に終わった。
こうした過去の事例から考えると、川崎が第1ステージを制する可能性は高い。さらに、優勝を後押しする幾つかの要素がある。
ひとつは、「攻撃に手応えはないし、どの試合も内容は悪い」(大久保)ながら首位に立つ点だ。5節の鹿島戦をはじめ、負けても不思議ではない試合も少なくない。つまり、結果は良くとも「内容は悪い」状態なのだ。裏を返せば、改善の余地が多くあり、試合を重ねれば内容は上向くだろう。
また、試合ごとに先発メンバーが入れ替わる形ながら、結果を残せている点も大きい。確かに連係に課題を抱えるものの、新戦力が存在感を示して競争意識は着実に強まり、不動と思われた中村と大島僚太の2ボランチも決して安泰ではない。それだけ戦力の底上げが進んでいる証で、結果的に試行錯誤と競争が良い形で相乗効果を生んでいる。