緻密なスカウティングシステムで移籍市場に臨む
選手獲得のスカウティングは、クラブの規模としては破格の9人体制。うち3人がフルタイム、残る6人がパートタイムだ。
「私たちはポジションごとに、デインズに来てほしい選手の定義を設けており、スカウト一人ひとりに担当する国、リーグをアサインして、定義に合った選手をウォッチさせる。半年に1回ある移籍市場に向けて、スカウトは自分が担当する国、リーグの選手でシャドーチームを作り、それを1つのシャドーチームにまとめる。これが移籍市場の開く1か月前には出来上がります。これを元に監督と話し合って、優先順位を付けて交渉に入っていきます。
そこから先の交渉は生モノですので、リスト化した選手が全員来るわけではありません。移籍期間中に有力な選手が出てくることも当然あります。そのときは最低でも3人のスカウトの目で選手を見て定性的(数値化できない要素のこと)なレポートを書かせ、さらに『A+、A、B+、B』のようにランク化して、その総合値の高い選手を獲得対象にします。
要はスポーツ・ダイレクターが独断と偏見で決めるのではなく、複数の目で見て『定量的(数値化できる要素のこと)な指標』『定性的な指標』を合わせた総合値で決める。後はそれだけの給料とか移籍金を払うに値するかどうかをマネジメントサイドが判断をして、獲得交渉を始めるゴーサインを出す――。そういうプロセスを作っていることを、カンファレンスで話したりしています」
昨年秋、最下位に落ちたチームをベテラン指揮官マルク・グロスジャンの手腕によって、昇格プレーオフ進出寸前まで立ち直ったのが、飯塚CEO(当時はCSO)の就任1年目。しかし2年目、16チーム12位と低迷気味だった昨秋に大鉈を振るい45歳の働き盛り、ハンス・ソマースを監督に任命した。
「私たちはもともと3年プラン(=1部昇格)を立てていて、今は2年目なんです。ただ、今季は6位を狙えるだけの戦力が揃った中、リーグ後半とその先のシーズンを見据えたとき、我々の目ざす方向性との違いが生まれていました。グロスジャンさんは本当に素晴らしい指導者ですし、私たちを救っていただき本当に感謝しています。しかし、目標とする6位以内に入って昇格プレーオフに出ることを鑑みると、デインズは柔軟な采配をすることのできる、勝負勘のある監督に切り替える時期に迫っており、昨年11月半ばからソマース氏に監督をお願いすることになりました。
「私たちはポジションごとに、デインズに来てほしい選手の定義を設けており、スカウト一人ひとりに担当する国、リーグをアサインして、定義に合った選手をウォッチさせる。半年に1回ある移籍市場に向けて、スカウトは自分が担当する国、リーグの選手でシャドーチームを作り、それを1つのシャドーチームにまとめる。これが移籍市場の開く1か月前には出来上がります。これを元に監督と話し合って、優先順位を付けて交渉に入っていきます。
そこから先の交渉は生モノですので、リスト化した選手が全員来るわけではありません。移籍期間中に有力な選手が出てくることも当然あります。そのときは最低でも3人のスカウトの目で選手を見て定性的(数値化できない要素のこと)なレポートを書かせ、さらに『A+、A、B+、B』のようにランク化して、その総合値の高い選手を獲得対象にします。
要はスポーツ・ダイレクターが独断と偏見で決めるのではなく、複数の目で見て『定量的(数値化できる要素のこと)な指標』『定性的な指標』を合わせた総合値で決める。後はそれだけの給料とか移籍金を払うに値するかどうかをマネジメントサイドが判断をして、獲得交渉を始めるゴーサインを出す――。そういうプロセスを作っていることを、カンファレンスで話したりしています」
昨年秋、最下位に落ちたチームをベテラン指揮官マルク・グロスジャンの手腕によって、昇格プレーオフ進出寸前まで立ち直ったのが、飯塚CEO(当時はCSO)の就任1年目。しかし2年目、16チーム12位と低迷気味だった昨秋に大鉈を振るい45歳の働き盛り、ハンス・ソマースを監督に任命した。
「私たちはもともと3年プラン(=1部昇格)を立てていて、今は2年目なんです。ただ、今季は6位を狙えるだけの戦力が揃った中、リーグ後半とその先のシーズンを見据えたとき、我々の目ざす方向性との違いが生まれていました。グロスジャンさんは本当に素晴らしい指導者ですし、私たちを救っていただき本当に感謝しています。しかし、目標とする6位以内に入って昇格プレーオフに出ることを鑑みると、デインズは柔軟な采配をすることのできる、勝負勘のある監督に切り替える時期に迫っており、昨年11月半ばからソマース氏に監督をお願いすることになりました。
今(2024年3月30日取材時点)、少なくとも昇格プレーオフ進出の可能性は高まっており、最高のシナリオで進めば2位になって直接昇格できるかもしれません。ソマース監督は手持ちの選手をやりくりして、相手を分析してウイークポイントを突くことのできる、勝負強い指導者です。眼の前のチャンスを掴まない手はありません。プランを1年前倒ししてシーズン大詰めを戦い抜く覚悟です」
最下位に落ちて四面楚歌になった1年余り前。それが今、デインズ市、サポーターとの関係が良好となり、2部リーグでの快進撃と小クラブとは思えぬストラクチャーから、デインズはベルギー国内を驚かせている。その成果の一つが3月30日、ズルテ・ワレヘムとのダービーマッチに4400人を集めたこと。それまでの今季最高1761人の実に2.5倍もの観衆が集まったのだ。
「ここらで一つ、デインズを応援しに久しぶりにスタジアムにでも行ってみるか」
そんな市民が多かったと飯塚CEOは喜んでいた。
取材・文●中田 徹
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「ここらで一つ、デインズを応援しに久しぶりにスタジアムにでも行ってみるか」
そんな市民が多かったと飯塚CEOは喜んでいた。
取材・文●中田 徹
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