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ベルギー2部で抜きん出る充実の“クラブ力”。急成長デインズの日本人CEOは「3年計画を1年前倒しして戦い抜く」と宣言【現地発】

カテゴリ:海外日本人

中田徹

2024年04月10日

KMSKデインズ の飯塚晃央CEOに訊く【後編】

3年会計画の1年目となった昨季、デインズは最下位スタートから8位でフィニッシュ。今季もここまで上位に付けている。(C)Getty Images

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 ベルギー2部リーグは優勝、準優勝チームが1部リーグに自動昇格し、残る1枠を3位から6位のチームがプレーオフで争う。残り2節でデインズは勝点47の5位。直近4試合で1分け3敗となったことにより、自動昇格は厳しくなったが、プレーオフを狙える好位置にいる。
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 3月30日、ズルテ・ワレヘムとの白熱のダービーマッチを無事に終え、ひと息付いた飯塚晃央CEO(最高経営責任者)にKMSKデインズ のクラブ戦略を伺った。

 ACAフットボール・パートナーズはデインズ以外にも、スペイン・マラガに本拠地を置くトレモリーノス(スペイン5部リーグ相当)の経営権を持っており、両クラブ間の人材交流を積極的に図ろうとしている。

「私たちはトップチームの選手年齢比率を決めています。デインズは『若手層』『ミドル層』『28歳以上の層』の比率を3分の1ずつにして、『ミドル層』のカテゴリーにいる選手にキャプテンを任せたり、チームリーダー役を担ってもらったりしています。トレモリーノスに関しては、来季からトップチームの23歳以下の選手を60%まで引き上げて、若手選手を育成するクラブに特化しようと思っています」(飯塚CEO。以下同)

 スペインでは地域のトップユースアカデミーが競い合うリーグ戦がある。アンダルシア地方のトップリーグに所属するトレモリーノスのU-19チーム『CDサン・フェリックス』は、セビージャ、ベティス、グラナダ、カディスといった有名どころと互角に渡り合い、中位から上位の順位に付けている。

「サン・フェリックスが高いレベルのユースリーグ(Division de Honor Juvenil de Futbol)でプレーすることで選手の育成をしつつ、U-23主体のトップチームがシニアのリーグ戦でしっかり挑戦できるようにする。その中から良い選手をデインズに連れてきて、ベルギーリーグでプレーしながらさらなる成長を促します」
 
 デインズのアカデミーに関しては、「U-6からU-18チーム、セカンドチーム、トップチームを一貫したストラクチャーの中に収める、しっかりとしたストラクチャーを作った」のだという。

「若い選手がU-18からトップチームに上がるプロへの段階をいかに踏むか、そこを我々のアカデミーでは特に意識しています。デインズのアカデミー・ダイレクターを務めるワウター・アルツ氏は、セルクル・ブルージュのU-21チームの監督だった経験を持つ『トランジション(ユースからプロへの移行)型コーチ』でもあるんです」

 デインズのスポーツ面でのストラクチャーを作ったアドリアン・エスパラガSD(スポーツ・ダイレクター)がメディアやサッカー・カンファレンスでクラブの取り組みを話す機会が増えてきた。

「我々が今、取り組んでいる『ストラクチャーの投資』をアドリアンが話すと、ベルギーのトップクラブ、他国の有名クラブの関係者が『このレベルの投資をベルギー2部リーグのクラブがやっているのか』と大変驚かれます。

 例えばスタジアムの中に最新機器の揃ったフィットネスジムを作り、ストレングスのデータを測るためのソフトウェアもしっかり取り入れた。そして『コンディショニング、ストレングス専門のデータアナリスト』を雇い入れ、『ストレングス・コンディショニングコーチ』と『リハビリテーションコーチ』の2人をサポートする仕組みを作りました。彼らが選手のデータをパワーBIで集計し、毎日ダッシュボードでグラフ化し比較しています。もしかしたらベルギーのトップクラブですらやってないかもしれないレベルのことを、デインズのような小さなクラブが取り組んでいるんです」
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