【イングランド代表】ケインとヴァーディーの躍動でFWの序列が明確に。反省材料は…

カテゴリ:連載・コラム

山中忍

2016年03月31日

レギュラー奪取へ、ダイアーが強烈アピール。

絶対的な存在が見当たらない泣き所のセントラルMFで、トッテナムのダイアーが強烈アピール。ドイツ戦では値千金の決勝ゴールをヘッドで叩き込んだ。 (C)Getty Images

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 守備面では、泣き所のボランチでエリック・ダイアーがレギュラー奪取を強烈にアピール。ドイツ戦では逆転のヘディングゴールまで決めている。
 
 また、怪我が長引くジャック・ウィルシェアの戦線復帰が間に合わなかった場合の代役も得られた。オランダ戦で85分に渡ってプレーし、上々のA代表デビューを飾ったダニー・ドリンクウォーターだ。
 
 これで一気に「世代交代」が進む。34歳のマイケル・キャリックとの決別を、ホジソン監督もいよいよ決断するだろう。
 
 代表の“常連”だった31歳の左SB、レイトン・ベインズにも同じことが言える。ドイツ戦で初キャップを刻み、2戦連続のスタメン出場という大役を見事に務め上げたダニー・ローズが、今後は左SBで存在感を放っていくだろう。
 
 CBはドイツ戦がクリス・スモーリングとガリー・ケイヒル、オランダ戦がスモーリングとジョン・ストーンズという構成だった。後者の若手コンビがレギュラーとして定着するのが、将来的な理想だろう。
 
 2戦連続で先発したスモーリングは、以前は欠けていた力強さを垣間見せ、ホジソン監督にアピール。オランダ戦でスタメンを飾ったストーンズは、足を滑らせてピンチを招き、攻撃の起点となる意欲と技術を持つCBであるがゆえのリスクを感じさせた。もっとも、ストーンズが前線に届けたパスから、得点が生まれたのもまた事実だ。
 
 もちろん、2試合で4失点を喫した守備は反省材料。いずれも小さなミスが絡んでいた。もっとも元来は堅守指導が得意なホジソン監督だ。メンバー選定を含め、本大会までにどこまで改善できるか。指揮官の腕の見せ所である。
 
文:山中忍
 
【著者プロフィール】
山中忍/1966年生まれ、青山学院大学卒。94年渡欧。イングランドのサッカー文化に魅せられ、ライター&通訳・翻訳家として、プレミアリーグとイングランド代表から下部リーグとユースまで、本場のサッカーシーンを追う。西ロンドン在住で、ファンでもあるチェルシーの事情に明るい。

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