ベンチに置いておきたいのは、まずダニエウ・アウベス。プジョールとアジャラのセンターバックがうまく機能しなかった場合、ラモスを中央に移すケースが考えられます。右サイドバックにダニエウ・アウベスを入れれば、メッシとのコンビネーションを活かし、攻撃面で大きな違いを作ってくれるはずです。逆に守備を固めたいときは、クロード・マケレレを投入してカゼミーロとダブルボランチを組ませれば、ボール回収において圧倒的な優位性を発揮するでしょう。
前線の切り札として真っ先に名前が浮かぶのがロナウジーニョ。攻撃が停滞している展開で投入して、ピッチに魔法をかけてほしいですね。C・ロナウドはベンチに置かざるを得ないでしょう。メッシとの共存を考えたうえでの苦渋の決断です。ふたりを同時に起用すると、守備が全く機能しなくなる危険性が高いですからね。それに途中出場という点では、メッシよりもC・ロナウドのほうが相手に脅威を与えられる気がします。それに加えて“元祖”ロナウドがジョーカーとして出てきたら、誰も止められないでしょうね。
今回の依頼では「とっておきの控え」は5人までと言われていますが、もうひとりどうしても加えたい選手がいます。ベティスで活躍したブラジル人ドリブラーのデニウソンです。ちょうど海外サッカーを見始めた頃にラ・リーガでプレーしていたんですが、果敢にドリブルで仕掛けるプレーがいまでも脳裏に焼き付いています。ボールを持つとつねにワクワクさせてくれるウイングでしたね。
このチームなら、ラ・リーガはもちろん、チャンピオンズリーグ制覇も成し遂げてくれるでしょう。
[プロフィール]
林陵平(解説者/元東京V、柏など)
186cm・80kgの大型ストライカーとして鳴らした元Jリーガー。ヴェルディ・アカデミーと明治大学を経て2009年に東京ヴェルディとプロ契約し、翌年から柏、山形、水戸、ヴェルディ、町田、群馬を渡り歩き、2020年シーズンをもって現役引退した。Jリーグ通算成績は300試合・67得点。自他ともに認める「欧州サッカーマニア」で、海外選手のゴールセレブレーションを取り入れて話題にもなった。現在もあらゆる動画やニュースに目を配り、X(@Ryohei_h11)では海外ネタを日々つぶやき中。21年から23年までは東京大学ア式蹴球部の監督を務めた。24年2月には著書『林陵平のサッカー観戦術』(平凡社)を出版。最近は欧州サッカーの解説者としても人気を博す。1986年9月8日生まれ、東京都出身。
取材・構成●尾池史也(ワールドサッカーダイジェスト編集部)
※『ワールドサッカーダイジェスト』2024年1月18日号から転載・加筆。
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