• トップ
  • ニュース一覧
  • なぜアジア杯で中東勢は勝ち残れるのか。日本に足りなかったものとは? イラン戦後に“熱量の差”を指摘されたが...

なぜアジア杯で中東勢は勝ち残れるのか。日本に足りなかったものとは? イラン戦後に“熱量の差”を指摘されたが...

カテゴリ:国際大会

河治良幸

2024年02月10日

森保ジャパンは曖昧だった

前回覇者のカタール。連覇が懸かる決勝の相手はヨルダンだ。写真:梅月智史(サッカーダイジェスト写真部/現地特派)

画像を見る

 グループステージで日本に勝利したイラクは、ラウンド16でヨルダンに2-3で競り負けたが、日本相手には明確なカウンター、ヨルダン戦ではしっかりとパスを繋いで崩す戦い方を選択しており、ベースの高さを示していた。

 どの国も戦術的なベースがしっかりしたうえで、試合のプランで自分たちのストロングと相手のウィークを掛け合わせて、勝つための戦い方を実行していく。その点で、森保ジャパンは曖昧だったと言わざるを得ない。

 JFA(日本サッカー協会)の新たな試みとして始まった東大・筑波大院生ら25人による分析資料が代表のテクニカルスタッフに届き、それをミーティングなどで反映する体制で臨んだが、短い期間で現場のプランに活かされなければ意味がなくなってしまう。

 その足枷になってしまったのが、カタールW杯から1つ進化して、アジアで圧倒できるチームを目ざしたことだろう。たとえば守備は1対1で守り切れることをベースに、前に人数をかけるスタイルを構築してきたが、イラク戦やイラン戦のような苦しい時間帯になったところで、うまく耐えて、また自分たちの時間帯に持ち込むようなプランが希薄になっていたように思う。

 イラン戦後、アジアカップに対する“熱量の差”が指摘されるが、それは単なる気持ちの強さではなく、アジアカップという大会で勝つことに、どれだけ向き合っていたかということだ。
 
 森保ジャパンの大きな目標として世界一を目ざすこと自体は悪くないが、たとえば世界一が目標なら、このぐらいはそのまま耐えて、自分たちの流れに持ち直さないといけないとか、目の前の相手を全力で叩きのめすことにベクトルが向いていなかったように思う。

 そこがファイナルに勝ち残ったカタールやヨルダンはもちろん、惜しくも準決勝で敗れたイランも日本より上回っていた。日本はタレント力も総合力も、過去のどのチームより上だったかもしれないが、中東諸国、さらに言えば東南アジアなどのレベルも上がってきているなかで、目の前の大会に向き合う矢印の強さに差は感じられた。

 それでも勝機が無かったわけではないが、ベスト8敗退という結果によって、気付かされたことが多いのは確かだ。

取材・文●河治良幸

【PHOTO】華やかコスチュームでエール! 大会を彩る韓国女子サポを特集!

【記事】「なぜ日本に1-6で惨敗したヨルダンが決勝に?」母国記者が納得の回答「この試合のおかげで韓国と...」【現地発】

【記事】「誰かが怒るわけでもなく、言うわけでもなく...」セットプレーでかさんだ失点、内田篤人が着目したのは?「僕の中では寂しかった」
 
【関連記事】
「なぜ日本に1-6で惨敗したヨルダンが決勝に?」母国記者が納得の回答「この試合のおかげで韓国と...」【現地発】
「最終兵器」を披露できずに終戦した森保ジャパン。対戦国が震撼するはずだった“同時起用”は実現しなかった【担当記者コラム】
「言ったなぁと思いますけど」内田篤人、イラン戦後の守田英正の発言に見解「選手の感覚とか意見はすごく大事」
「面倒くさい戦いになりそう」森保Jのイラン戦敗北を受け、内田篤人がW杯予選に懸念「日本には蹴ればいい、放り込めばいいっていうね」
内田篤人が指摘する“ギャップ”。イラン戦で三笘&南野を投入も、自陣にベタ引き状態「で、カウンターなのかな、とかね」

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト 王国の誇りを胸に
    4月10日発売
    サッカー王国復活へ
    清水エスパルス
    3年ぶりのJ1で異彩を放つ
    オレンジ戦士たちの真髄
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 特別企画
    5月1日発売
    プレミアリーグ
    スター★100人物語
    絆、ルーツ、感動秘話など
    百人百通りのドラマがここに!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 完全保存版
    1月17日発売
    第103回全国高校サッカー選手権
    決戦速報号
    前橋育英が7年ぶりの戴冠
    全47試合&活躍選手を詳報!
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ